キヲシ

終身犯のキヲシのレビュー・感想・評価

終身犯(1962年製作の映画)
4.0
マザコンの凶悪犯ストラウド(バートランカスター)が、刑務所内で食事をしながら音楽鑑賞の最中、席を立ち刑務官に詰め寄る。俯瞰ショット。演奏が止まり衆目が集まる。ローアングル。振り上げた警棒を抑え、突き立つフォーク?の柄のアップ。組み上げられていく絞首台と減刑を嘆願する母親(セルマリッター)のカットバック。お面白い。独房生活で拾い上げたスズメ(とはいえ日本のとはだいぶ違う)はまだ親離れ前のヒナ。床を走る虫を潰し、パン屑と一緒にアルミカップ(自分で使うやつだよなあ…)で混ぜたものを与えると喜んで食べる!手作りリヤカーを引く。お次は、ガラスの空き瓶を見事に切断して水入れに。木箱から鳥籠に。この過程(切る削る磨く組み立てる)を細かく描写する。お面白い。礼のひとつも無いと拗ねる刑務官と素直に謝るストラウド。お面白い。ステラ(ベティフィールド)の登場で母親の嫉妬が発動。カナリヤ研究所と化していく独房…。ツイストする物語はアルカトラズ島へ移動して因縁の所長シューメイカー(カールマルデン)と再会で更にひとひねり。お面白い。これが実話(美化されてるらしいが)というのもお、面白い。
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