マイケル・ダグラスにオスカー主演男優賞をもたらした作品だが、彼が演じたゴードン・ゲッコーのカリスマ性がスゴい!
オリバー・ストーン監督なので、資本主義社会の歪みを強調したような「金がすべて」な悪人には、もちろん批判を込めてるんですが、どうにもカッコ良く映っちゃうんですよね。
「強欲は善」と語る演説に、ついつい飲まれちゃうんですよ。
金があってこそ人助けだという理屈、いやいやそんなことないだろって突っ込めるはずが、思わず頷いてしまうという…。
そんなゲッコーに付いていく若手証券マン・バドも、まぁなんとも浅はかなヤツでね(笑)
「金は眠らんぞ」とか言って早朝のゲッコーの電話で起こされて、文句の一つも言わないんだから、完全にゲッコー教祖という崇め方です。
バドの方も、痛い目にあって然るべきキャラクターとして描かれていることは間違いないが、そこに彼の父親がいるのが、この映画の良心かなと思った。
金には目が眩まない、売春婦を買ったりもしない、そんな真っ直ぐな父親を演じたマーティン・シーン。
バドを演じるチャーリー・シーンは実の息子なわけで、このキャスティングの説得力たるや!
今観ると、でっかい受話器で電話してたり、証券取引所の様子もアナログだったり、かなり時代を感じる。
それでも、資本主義の闇を際立たせた魅力的なキャラクターは、時代を経ても色褪せないものだと感じました。