MURANO

ウォール街のMURANOのレビュー・感想・評価

ウォール街(1987年製作の映画)
4.2
マイケル・ダグラスにオスカー主演男優賞をもたらした作品だが、彼が演じたゴードン・ゲッコーのカリスマ性がスゴい!

オリバー・ストーン監督なので、資本主義社会の歪みを強調したような「金がすべて」な悪人には、もちろん批判を込めてるんですが、どうにもカッコ良く映っちゃうんですよね。

「強欲は善」と語る演説に、ついつい飲まれちゃうんですよ。

金があってこそ人助けだという理屈、いやいやそんなことないだろって突っ込めるはずが、思わず頷いてしまうという…。

そんなゲッコーに付いていく若手証券マン・バドも、まぁなんとも浅はかなヤツでね(笑)

「金は眠らんぞ」とか言って早朝のゲッコーの電話で起こされて、文句の一つも言わないんだから、完全にゲッコー教祖という崇め方です。

バドの方も、痛い目にあって然るべきキャラクターとして描かれていることは間違いないが、そこに彼の父親がいるのが、この映画の良心かなと思った。

金には目が眩まない、売春婦を買ったりもしない、そんな真っ直ぐな父親を演じたマーティン・シーン。

バドを演じるチャーリー・シーンは実の息子なわけで、このキャスティングの説得力たるや!

今観ると、でっかい受話器で電話してたり、証券取引所の様子もアナログだったり、かなり時代を感じる。

それでも、資本主義の闇を際立たせた魅力的なキャラクターは、時代を経ても色褪せないものだと感じました。
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