田梨

モンスターの田梨のネタバレレビュー・内容・結末

モンスター(2003年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

救いがない。

そうするしか生きる方法がなかった。
という人間に対して、他にもあっただろうというのは間違っている。
他にあったならとっくに出来ているのだから。

ただ、恋に落ちるシーンが曖昧。
元々レズビアンでナンパしたらそのまま引っかかってラッキーという感じだったのか。
肉体的・表面的には上手くやれていたのだろう。
だけど本当にお互い愛し合っていたのかは微妙なところで、リーだけが一方的に好きであるような印象だった。
そこまでしてセルビーに惚れ込む何かがあったのかも分からない描かれ方をしていて、どちらにも感情移入が出来なかった。
実在する人物・出来事の為に美談や過度な妄想を織り交ぜたくなかったのかもしれない。

"2人の生活"を多く描いていて、背景についてもう少し触れて欲しかった。
何でもかんでも触れるのは野暮。というのも理解できるが、端折られすぎても「そうだったんだ〜」程度の感情にしかならない。

「ワガママなレズビアンの子供」と「普通には生きていけない狂ったおばさん」が愛を育み、人に殺されかけ、人を殺す。
確かに考えさせられる話ではあるが、淡々と狂気だけが膨らんでいく怖さに心が追いつかなかった。
田梨

田梨