めち

モンスターのめちのネタバレレビュー・内容・結末

モンスター(2003年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「モンスター」というタイトルが非常に上手い。誰が、何が、どこが、「モンスター」だったのか、人それぞれ感じ方は違うと思う。
わたしは主人公のアイリーンだけがモンスターだったとは思わない。アイリーンは純愛だった。故にとても悲しかった。
8歳でレイプされ、13歳で娼婦になった。家族に捨てられ、娼婦は自分で選んだ道ではなく、そうする他なかった。そうする他なかった道を世間では簡単に稼げる楽な生き方と言った。足を洗おうとしても社会がそうさせなかった。

アイリーンは7人もの人を殺した。セルビーが好きだったから、彼女と生きるために体を売ったし人も殺した。それは決して許されることではない。
でも、それ以上にセルビーが許せない。
アイリーンはセルビーを愛してた。愛されたことがなかったから、セルビーは本当に心の拠り所だった。のに。
セルビーの裏切りが、とても胸が痛かった。
事故ったのもセルビーのせいだし、殺人を黙認したし、何より養ってわがままを聞いて、あなたに愛を注いだじゃない?それを愛と感じていたじゃない?どうしてアイリーンを守ろうとしてくれなかったの?人を殺してはいけないよと警察に売ることが本当の愛なの?全部アイリーンに罪を押し付けて、本当にそれで良かったの?
ラストの電話と裁判は悲痛だった。
こうなると、こうなるしかないとわかっていても。

観終わった後に実話だったということを知りました。誇張や美化があったとしても、考えさせられる映画でした。
めち

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