mjnk

モンスターのmjnkのレビュー・感想・評価

モンスター(2003年製作の映画)
3.3
2020/03 CS録画。実在した娼婦で連続殺人犯の女の話。見応えがありました。
シャーリーズセロンの役作りが凄くて(増量からくる変化だけでなく眉毛が無い!)、そのインパクトがめちゃくちゃ強いのですが、ストーリー的には終始クリスティーナ・リッチにイラッとさせられました(アイリーン側から描いているのでしょうがないのですが、それにしてもだよ!)。

「犯罪は自己責任か、環境のせいか」が主題で、確かにアイリーンには同情する。語られる過去もここで描かれる日々も、ずっと過酷過ぎる。でもじゃあアイリーンにはこの道しかなかったのか、と言うと、うーん…。

女優に憧れた少女時代と同じように仕事を求めるシーンは、彼女の生い立ちからくる無知さや世間とのズレを表しているのだと思うのですが、提供された情報にキレてしまうところに難しさを感じました。「話を聞いてよ!」と彼女は言いますが、話を聞いた上で同じ回答しか得られなかった場合、彼女は納得するのでしょうか。
そう考えると、あそこで食い下がれるような人物ならこうはならなかったんじゃないかな…と思わなくもないです。「そういう性格になるのも環境のせい」だと言われたら、それはもう頭を抱えてしまうのですが…。

そんな事を色々考えながら観ましたが、終盤のアイリーンは本当に切なかったです。

全然関係ない事ですが、途中で流れる音楽が、『バニラスカイ』のサントラにも入っているThe Chemical Brothers の「Where Do I Begin」で、物語とは無関係なところでちょっとテンション上がりました。
mjnk

mjnk