モロッコ、メキシコ、日本を舞台に
すれ違う人間模様を描いた傑作。
どのパートも陰鬱で美しく心に迫る。
およそ18年ぶりに観たのだが当時無名の菊地凛子が
ブラッドピットやケイトブランシェット、ガエルガルシアベルナル、役所広司など、錚々たる俳優陣に引けを取らぬ
とてつもない存在感を放っていた。
演じた役柄は聾唖であり、母を自殺で失い、
そして性的な衝動をもつ孤独な女子高生。
この複雑な役を、体当たり、というアプローチでは
到底不可能なレベルで演じ切っていた。
最後の手紙の内容は分からぬまま。
作品において重要な最後のピースを
新人俳優に背負わせるというのも凄い。