うひひひ

バベルのうひひひのレビュー・感想・評価

バベル(2006年製作の映画)
3.4

本来ならオムニバス形式で出すような複数の物語が、一本としてパートが激しく切り替わりを繰り返して進行していく。
オムニバスでなく一本の映画として出されたものであるなら、個人的には可視化された全体の仕掛けが欲しかった。
しかし、それぞれの物語は文明に囲まれた人間の中の諍いや愚かさ、過ちというのがあまり変な難解さなく描かれている点は、冠されたタイトルを裏切ることなく良い。

また、143分と長めながらも、ひたすらそれぞれの物語の行方が非常に気にかかり、尺の長さを感じさせないのも良かった点。

映画の中の劇的な瞬間に際して、演出としての主張を控えた劇伴などが、リアリズムの一端を担い、現実から浮くことのない雰囲気を演出していた。
うひひひ

うひひひ