ジョセフ・ゴードンの撫で肩が気になる……
というのはさて置き、スタイリッシュなサブカルホイホイの雰囲気に見事ホイホイされたうちの一人です。(笑)
初めて観た時は冒頭の「これはラブストーリーではない」という言葉の意味がイマイチ分からず、自分の恋愛経験の乏しさと精神年齢の幼さを痛感しました。
色々考えながら見直して思ったのは、”恋愛”って実はみんなが(いや、私が?)思っているようなロマンチックなものではなく、ある程度ハウツーが成り立ってしまうような、所詮形式ばったものでしかないのかもということ。
先にも書いたように、私はトムよりの未熟な恋愛思考なので……。だから”恋愛”がままならないんだなと(笑)恋愛にもちゃんと手続きが必要なんですね……。
まぁそれってなんか寂しい気もしますが、ラストのトムのように「そっか、運命なんてないんだ」と思えたら、肩の力を抜いて次の”恋愛”の手続きを踏めるのかもしれない。転職するのと同じように。それはそれでなんだか気持ちが楽になります。
そういう意味ではスタイリッシュな雰囲気に似合わず、すごい現実的で観ている人を突き放すような物語だなあと思います。
しかし一方のサマーは、今まで散々否定してきた”運命の恋”に落ち、その相手とあっという間に結婚してしまう。それを私は残酷な描写ではなく、ある種救いとして捉えました。だってトムとサマーの価値観がすっかり入れ替わるんですよね。トムと出逢わなければ、サマーは”運命の恋”になんて落ちることがなかったかもしれません。
だからみんな、サマーを許してあげて……!(笑)サマーに怒りや不快感を覚える方が多いようで……まあその気持ちも分かりますが、ああいう子って普通にチョロチョロいますよね?まさに手続き的な感覚で、淡々と一つ一つのステップをこなしていくように”恋愛”をする子。
そんな子が「ある朝起きて気付く」んですよ!「あなた(トム)といた時は気付かなかったこと」に!!なんてロマンチックなんでしょう……!?(笑)
ということで、恋愛なんて捉え方は人それぞれ。それって諦めのようで希望でもあったり、なかったり……?(笑)
p.s.
というか皆さんのレビュー見ていても意外とご自身の恋愛経験と重ねてこの映画を観られている方多いんですね。その点で既に一つの作品として成功していると言えるのではないでしょうか。