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柳生一族の陰謀のmitakosamaのレビュー・感想・評価

柳生一族の陰謀(1978年製作の映画)
4.3
東映youtubeより。まさに時代劇史上に残る素晴らしい1本!

徳川2代将軍・秀忠死去に毒殺の疑惑が掛かり、3代将軍に長男・家光と三男・忠長が後継車争いをするという展開。
歴史を見れば家光が跡を継ぎ、忠長はイカレ野郎で切腹させられた事は予め判る話だ。
だが、それを踏まえ家光(松方弘樹)は顔に痣があり吃音の癇癪持ちというキャラクターだ。家光を推す春日局のあばた顔というメイキャップ。主人公側である柳生がプッシュする家光が見た目で物凄いハンデを背負っているのが面白い。
対して忠長は西郷輝彦が演じていて、イケメンで聡明なイメージだ。
史実と逆のイメージで采配することで、主人公側に不利な状況から話を進めさせるセンスが良い。後半に家光が勝つ逆転劇のカタルシスが生まれるからね。

忠長を推す尾張・紀伊・水戸の御三家と崇源院に対し、家光を将軍にするために柳生宗矩が画策し、十兵衛が根来衆を率い剣を振るうというのが物語の骨格だ。
言わずと知れた宗矩に錦之助。十兵衛に千葉ちゃん。濃ゆい!男性ホルモンにトロみがついてるくらい濃ゆい!

基本的には政治劇なので、如何に外様大名を味方につけ朝廷に認めさせるかだ。
だがバトルを絡ませることでストーリーのメリハリが凄いある。

朝廷側には成田三樹夫演じる架空の公家キャラクターである烏丸文麿が登場だ!公家なのに超強え!
烏丸vs十兵衛が中盤のクライマックスだ。
更に丹波哲郎演じる小笠原玄信斎も忠長側につき柳生と対立する。十兵衛の右目を斬ったのも玄信斎だ。こいつは宗矩とラスバトするぜ!
また根来衆の若者に真田広之、十兵衛の妹に志保美悦子と、彼らにもアクションの見せ場が盛りだくさん。

政治的裏回しに撤する宗矩に対し実行部隊となる十兵衛と根来衆だが、宗矩は証拠隠滅のために根来衆を壊滅。
十兵衛は遂に宗矩に牙を剥くという流れに…。

ラストもまさかの展開だが、怒濤のジェットコースター的なチャンバラ劇に加え、錦之助のラストの熱演もあり力技で完結する。そう、力技という言葉が最も似合う終わり方だ。作品自体のパワーがハンパ無い!
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