倉持リネン

タイタンズを忘れないの倉持リネンのレビュー・感想・評価

タイタンズを忘れない(2000年製作の映画)
4.2
「引退したら同じ街で暮らそう」「歳取って、太って、そしたらもう白も黒も関係なくなる」


黒人学校と白人学校が統合し、人種混合のアメリカンフットボールチーム「タイタンズ」が誕生する。

初めはいがみ合っていた彼らだが、黒人であるブーンコーチの厳しい指導の下で共に切磋琢磨していく中で絆が深まっていく。

しかし、チーム内でのいざこざは無くなっても他の部活の仲間達や街にはまだ差別が色濃く残っていた……

そんな実話を元にした映画。


正直序盤は予想外のコーチブーンのスパルタっぷりに少し引いてしまい、若干物語にノリにくい部分があった。

が、きっとスポーツの強豪校なんてのはこんなもの(寧ろもっと厳しい所もある)なんだろうし、ブーンの人間性が垣間見えるシーンが多くあるお陰で途中から気にならなくなった。


実話ということだが、白人黒人それぞれのリーダー格の2人の人格が素晴らしく、彼らがまず偏見をなくした所からチームが纏まっていくのを見て、彼らを中心に置いた時点でこのチームは優勝への道を突き進んでいたんだと思う。

また途中のあまりにもショックな事故のシーン、映画としては感動する場面なんだけど、実話だと思うと悲しすぎて……



人種差別系の話って、何となく差別してたけど話してみたら良い奴だった!沢山関わったら仲良くなった!という展開がほとんどで、逆に「差別してた奴と関わってみたけどやっぱり最悪だった」という話は映画のみならず現実でもそうは聞かない。

つまり、差別っていうのは多くの場合が無知や偏見から来るもので、お互いを知ることが平和への第1歩なんだなと思う。



あ、そういえばチョイ役で若き日のライアン・ゴズリングが出てた。
ちょっぴりお馬鹿でキュートな役どころに図らずとも実写版Barbieのケン役への期待が高まりました。
倉持リネン

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