Gierck

荒野の決闘のGierckのレビュー・感想・評価

荒野の決闘(1946年製作の映画)
4.8
ジョン・フォード監督、ジョー・マクドナルド撮影。
「荒野の決闘」というより原題の「いとしのクレメンタイン」の方が遥かに映画に近い。
ワイアット・アープは最後の決闘以外は事件の終わった後に立ち会うのみで、事件の痕跡ばかりを追っており、むしろクレメンタインやドクのことばかりを気にかけている。
映画は結局のところ何ものかの痕跡ばかりを追う無力な存在でしかないことを端的に表しているのであるが、ついに Ok牧場の決闘に立ち向かうワイアット・アープをどのようにフォードが捉えるのかがまた興味深い。
それは砂嵐により視線をさえぎること、広い荒野を歩いていたアープが、いつの間にか脇からの侵入を試みていたように、空間の歪みによってである。
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