ショコラ

仕立て屋の恋のショコラのレビュー・感想・評価

仕立て屋の恋(1989年製作の映画)
3.7
冴えないオッサンの、滑稽で悲しい恋。

孤独なイール氏を見ているだけで泣けてくる。

とにかく容姿そのものが、言い様のない哀愁を誘うのだ。

無愛想で、得体の知れない不気味さをも含めて。

片想いの女性・アリスの部屋を、ブラームスを聴きつつ日々覗き見る変態的な行為。 

彼女と対峙しても崩さないポーカーフェイス。

内心では、アリスへの一途な愛を募らせるイール氏。

“甘い罠”と“思い込み”、そして余りにも残酷な仕打ち。

道化の様な彼の運命が痛々しく、虚無感を漂わせる。

いかにもフランス映画らしい作品。







 
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