仕立て屋の恋の作品情報・感想・評価

「仕立て屋の恋」に投稿された感想・評価

ヒッチコックの裏窓やめまいを彷彿とさせるところがあって面白かった。
ブロンド美女に不器用な愛を捧げるハゲオヤジってのがもろヒッチコック本人みたいで興味深い。
絵作りが秀逸で印象的なシーンが多い。
直接的な描写が無いのに官能的な感じがでているところも凄い。
KUU

KUUの感想・評価

4.5
ルコント監督、いやフランス映画に残る名作の1本。
『髪結いの亭主』と共に大好きな作品。


偏屈な仕立て屋のイールは周囲と馴染めず孤独な毎日をおくる。
そんな彼の唯一の喜びは、美女アリスの部屋を覗くこと。
出来心で覗いた彼は、彼女の秘密を目撃してしまう。
そこから、彼はアリスへの愛と共に転げ落ちてゆく・・

アリスは女を総動員し、彼を愛の喜びで満たし翻弄する。




イールの無償の愛に魂を揺さぶられるとともに、
アリスのしたたかさに震撼となる珠玉の逸品だった。
街のざわめきだけが微かに聴こえるエンドロールが
更に切なさに拍車をかける。


ラストは観客の心臓を直にわし掴むような疼きで支配される。



マイケル・ナイマンの音楽に抵抗できる感じがしない。
毎度骨抜きにされる。

『髪結の亭主』とか『ピアノ・レッスン』とか、倒錯した世界観や人間に本当に合う。


こうゆう作品ばかり観てると
普通の恋愛映画とか見られなくなるなぁ。



罪深い作品。
Masato

Masatoの感想・評価

3.7

鬱映画特集

鬱ランクC

ジャンル:おじさん悲惨系映画

「向かいの部屋の美女が…」的なセクシービデオにありそうな物語だが、フランス映画はそのまま行為に持ち込まず、こりゃまあ悲惨なことになる。

覗きなんてタイホーな案件だから主人公には少し抵抗感があるはず。ハゲ散らかしてるし、オッサンだし。でも、段々と彼の生活を見ていると、悲しくなってくる。

子どもに嫌がらせられるわ、刑事が偏見持ってて疑われまくるわ。周りに住んでる人からも嫌がられてる。唯一の楽しみはネズミと戯れることと、娼婦と話すこと。

向かいの部屋の女の子が寄ってくると、たちまち自分のことを話し出す。好いてないんてわかりきってるのに。そこが悲しい。今まで話す相手すらいなかったんだなって。

特殊性癖を持ってるだけで、普通に良い人。おそらく、ユダヤ人(○○ヴィッチという名前から)だから毛嫌いされているのかな。

ラスト、クライマックスの主人公の言葉がこの上なく美しい。「君を少しも恨んでない。ただ死ぬほど切ないだけだ」その後の展開は…これまでに幾度となく見てきた意地の悪い展開。

変態的であり、純愛的。幻想的で、現実的。こうした境界線を行き来する不可思議さは芸術的であるが、芸術的であるからこそ、一歩引いてしまって見ている自分がいる。美しさが残酷さを薄れさせている分、展開こそ意地が悪いが、鬱の強度はあまり強くない。

非モテを拗らせると、こうして利用されるケースがあります。気をつけましょう。
てちん

てちんの感想・評価

3.0
孤独な覗く男と彼氏持ちな覗かれる女の恋物語
人を寄せ付けない変わり者のハゲという時点で
グッと来る物があり毒気の効いた良い非モテ感
短いながら終盤で一気に騒めく構成も妙に新鮮
良作の香りが強かったので今後是非また観たい
柴猫

柴猫の感想・評価

4.0
ルコントらしい拗らせた中年だなあと思いながら、正直退屈を感じてしまった。そして終盤にその感情が見事に裏返る。この監督が描く中年はどこか嫌いになれないんだけど、今作の主人公はさすがに無理。と断言しかけた矢先に見入ってしまった。
やっぱり映画は映画館で最後まで観ることを前提に作られてるし、その前提は受け継いでいって欲しいな。ネットで新作映画を見る時代になっても、観客の集中力を問題にして一定間隔毎に心を掴め!という広告や動画作りになってほしくない。最後の最後に訪れる自分でもびっくりするような感動や悪寒が好き。
karayu

karayuの感想・評価

3.7
恋愛と生死は表裏一体。生を司るのは恋愛でもあり、死を司るのも恋愛であるという様なことを伝えたかったのかな。フランスの美しくもシリアスな街並みが素敵で其処に潜む人間模様が不気味でありながら日常的にも思えました。

周囲から嫌悪の目で見られる仕立て屋のイール。彼の唯一の楽しみは向かいに越してきた美しいアリスを覗くことだった。近所で殺人事件が起こり、イールは真っ先に犯人扱いを受けるが、彼は犯人がアリスの夫エミールであることを知っていた。そしてイールの憧れるアリスは真相を知るイールに接触してくるが、、という物語です。

「髪結いの亭主」に引き続きルコント作品ということで鑑賞です。勿論今作も映像や音楽など素晴らしいのですがルコントの1年のパワーアップ感が凄い。

原作ではユダヤ人であるイールに対する迫害的な側面が描かれている様ですが、映画では主にイールの恋愛模様が中心でした。しかしながら、イールのバックグラウンドが的確には描かれていなかった事もあり、今作も不明確な理由でイールを追求する刑事の姿からは迫害的である様にも感じます。

そんな中でも、手に職を持ち仕事をするイールの姿や窓越しにアリスを見つめ恋をするイールの姿にはエロスとしての描写が見られました。一方で、どういう意図で飼育していたのかはわかりませんがイールの飼育していた鼠の死や路線の脇に餌を巻き鼠を誘導するシーン、ラストの落下のシーンからはタナトスを感じます。
タナトスを感じさせることでアリスへのエロスや愛情をより尊いものであると表現していたのように思えます。

ぶっきら棒にアリスを追い払った後に、残り香を嗅ぐシーンや香水を購入するシーンもまた性的欲求でありながら生理的欲求を感じさせます。するとそれもエロスであるように見えます。

ジャケットにも書かれている「僕は恨んではいないよ。死ぬほど虚しいだけだ。」という台詞もアリスへの愛であり依存的な姿勢が見受けられます。これも含めてアリスはイールの生の全てであったのでしょう。

アリスと旅立つ事を望みイールは置き手紙まで書き、2人で歩める未来を心待ちにしていたにも関わらずラストは切ない。

屋根から落下するイールの機微。アリスの無常な表現。スローモーションによる過ぎて欲しくはない、というイールの感情が時を遅めている様に感じました。
s

sの感想・評価

3.2
根暗 覗きからの恋ってよくあるパターン
ふつふつとしたモノの描写がもっともっと欲しかったな
ダイガ

ダイガの感想・評価

4.0
ただ死ぬほど切ないだけだ。
この台詞に尽きる。

登場人物たちは結構悪いことしてるけどね。

女のズル賢さと男の滑稽さも味わえる。
言葉に出来ない絶望感を体感できる一本。
人間嫌いの冴えない主人子が恋をするストーリー。
フランス製の恋愛映画らしい上品な部分がよく出てて上手いなあと感じる。
台詞通り死ぬほど切ない。
恵理子

恵理子の感想・評価

4.0
孤独な男の愛情の気持ち悪さとどこまでも残酷になれる女のかわいさについての映画
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