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灼熱の魂のDAIのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.2
僕が最も好きな監督の一人ドゥニ・ヴィルヌーヴのある意味出世作とも言える映画ですね!
とても面白くてみんなにオススメしたかったんですけど、
本当にずっとどの配信サイトでも公開されてなかったんです・・・
ずっとDVDレンタルのみ・・・
でも最近アマプラだけですけどやっと見れるようになりました。
ドゥニ・ヴィルヌーヴの作品はどれも素晴らしいので、
いつか全作品一挙レビューとかやりたいななんて思ってます(笑)
今のとここのチャンネルではDUNEとプリズナーズくらいしかやってないかな?
まぁ余談はこれくらいにして本作「灼熱の魂」ですが、
これは運命にあらがい続け、灼熱のように自分の魂を燃やし続け、生き抜いた一人の女性の自叙伝です!
簡単にあらすじを言いますと
世間にひたすた心を閉ざして生きてきた中東系カナダ人のナワルという女性がいます。
ある日ナワルは実の子で双子であるジャンヌとシモンに謎めいた遺言と手紙だけ残し、
この世を去ってしまいます。
そしてその手紙はまだ会ったことのない双子の兄と父にあてたモノで
まだ見ぬ家族を探すためナワルの母国を訪れた双子はそこで母の壮絶な過去と向き合う。
こうやって紹介すると双子の中東への旅みたいなカンジがしますが、
この映画の主役は紛れもなく母であるナワルで、物語の核となる話は
これまで歩んできたナワルの壮絶な人生と悲劇的な運命です。
ナワルの出身地であるレバノンは内戦の絶えない国で、
ナワル自身も若い時から宗教観の対立などからひどい目にあい、
紛争にも巻き込まれ悲劇にも見舞われ、
そこから強い意志を持って戦う事を決め、
刑務所にいれられ数々の拷問を受けながらも生き抜く。
こういったナワルの壮絶な人生が双子の旅の過程で徐々に明らかになってくる。
ある意味謎めいた女性の半生を解き明かすミステリー映画のようでもあり、
強く生きる女性の半生を追っていくヒューマン・ドラマのようでもある。
そして父親と兄を探す旅の結末には何が待っているのか、
・・・結果とんでもないモノが待っていました。
ここでは多くは語らないんですが、とにかくここまで辛く厳しい現実って思う映画はなかなかない。
気分は間違いなく暗くなるし、見終わった後も色々考えさせられる。
本当に素晴らしい映画です!
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