Iri17

灼熱の魂のIri17のレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.2
母の過去を探る旅に出る姉弟。そこに待ち受けていたのは想像を絶する母の人生だった。
レバノン内戦下での過酷な状況の中で姉弟を産んだ母は自分の生い立ちと姉弟の出生の秘密を隠してきたが、それはあまりに残酷だった。
家族の愛、人間の残酷さがレバノンの荒涼とした大地に描かれる。

この作品でドゥニは明らかにタルコフスキーを意識している。『ブレードランナー2049』でもタルコフスキーにオマージュを捧げていたが、この作品にもドゥニのタルコフスキー趣味が見て取れる。火の撮り方、長いカット、象徴的なセリフなどだ。
この作品は正直言って必要以上に長い。無駄なシーンが多過ぎて、途中中だるみもある。しかし、その一瞬一瞬が母にとって貴重な、時に残酷な人生の一部であったように思える。
Iri17

Iri17