HidekiIshimoto

ウンタマギルーのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

ウンタマギルー(1989年製作の映画)
4.5
秋の沖縄離島小旅行の余韻を引き延ばすべく久しぶりにまた観た。ずいぶん久しぶりなのに印象的なマジカルシーン全部覚えてた。小林薫のとぼけた色気と戸川純の愛らしすぎる紅型衣装の色気。牛も豚もキジムナーも照林も、天然の色気でキラキラ輝いている。けどこの純正沖縄映画観ると、当たり前だけど自分は沖縄の表層にしか触れてないと鈍痛で痛感するばかり。神話的光景に包まれた土地では、人々も生き物も神話的に生きているとしみじみ思わされる。牛も豚も男も女も、老いも若いも権力者も貧乏人も、森の精霊も森も、全てが一部で全てが中心のようなこの平等感。夢も現実も区別がないこの感じ。出てくる全員がトリックスターのようなこの感じ。沖縄に生まれ落ちれなかったことが改めて残念でしかたない。不平等も経済格差も環境破壊も、この神話世界の外からやってくる。昨年度47都道府県幸福度ランキングでは沖縄は1位で東京は46位、今年は謎に28位に上がってるけどいや50位くらいだろ…と余韻の残る今は思う。