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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコルのRのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2011年のアメリカの作品。

監督は「アイアン・ジャイアント」のブラッド・バード。

あらすじ

IMFエージェントのハナウェイ(ジョシュ・ホロウェイ「サボタージュ」)が任務中に殺され、「コバルト」というコードネームの人物に渡されるはずだった秘密ファイルを奪われてしまう。秘密ファイルには核兵器発射制御装置のコードが書かれており、コバルトが核戦争を目論んでいることを知ったイーサン・ハント(トム・クルーズ「トップガン マーヴェリック」)は仲間たちと共にその目論みを阻止するため奔走する!!

大傑作「トップガン マーヴェリック」から早一年、映画人トム・クルーズに対する注目も高まる中、遂に!いよいよ!待ちに待った「あのシリーズ」の最新作が公開される!!

そう「ミッション:インポッシブル」!!

「マーヴェリック」の上映前の予告から超高度の崖からのバイク飛び降りスタントで観客の度肝を抜き、俺自身もこれはすぐに劇場に赴いて体感したい!と思いながらも、そういえば過去作の細かい部分忘れてるなぁと思い、再履修で本作から鑑賞(まだインディ最新作も観ていないのに…笑)。

で、シリーズ4作目となる本作。「3」の公開が2006年ということで約5年ぶりとなる続編となったわけだが、監督は、あのブラッド・バード!!

ブラッド・バードといえば、傑作「アイアン・ジャイアント」やピクサー下では「Mr.インクレディブル」シリーズや「レミーのおいしいレストラン」などアニメーション監督としての印象が強いが、本作が実写初監督。

で、上記3作とは別にディズニーで今作の後に作られた「トゥモローランド」など、かなりアクの強いメッセージ性のある監督さんでもあるんだけど、今作に関しては「雇われ」ということもあり、改めて観たけどそこは全く感じない。

それよりも、監督が持つ元々のずば抜けたアイデアや演出がそこかしこに散りばめられた結果、個人的にはそれまでの1から3も(特に2はめちゃくちゃ思い入れがある!!)もちろん面白かったけど、今作こそ「ミッション:インポッシブル」シリーズの「ターニングポイント」となる作品になったと改めて感じた。

お話はあらすじの通り、今作のトム・クルーズ演じるイーサンが挑む任務は「核戦争の阻止」。要は他のエージェント(海外ドラマ「LOST」シリーズのソーヤー役のジョシュ・ホロウェイ!!)が任務に失敗し、奪われた秘密ファイルが核兵器起動のためのアイテムで、それを狙っている「コバルト」という人物が核戦争を企ててることを知り、それを食い止めるために頑張る!といった感じ。

で、イーサンと共に任務に挑むのは今作でも3からの続投で後々の作品でもチームのコメディリリーフポジで活躍する、サイモン・ペッグ(「ラック 幸運を探す旅」)演じるベンジー、今作のヒロインポジであり、勝ち気な性格ながら、ドレスコードやオフィスカジュアルでも漏れ出すセクシーが堪らん、ポーラ・パットン(「セックス・トラフィック 悪夢の週末」)演じるカーター。

そして、今作からの新顔であり、後々のシリーズでもチームに加わるブラントを演じるのは「ホークアイ」ことジェレミー・レナー(「アベンジャーズ/エンドゲーム」)!!

今作では初めは「分析官」という堅書でイーサンと接触、成り行きでチームに同行することになるんだけど、イーサンとは「ある因縁」があって、実は正体を隠しているという含みがあるキャラクターとして、登場時から存在感を遺憾無く発揮している。

で、今作なんといっても監督の類稀なアイデアを生かした、絵的に派手なアクションが満載。

まず、序盤。「コバルト」の正体を探すため、ロシアの首都モスクワにあるクレムリンに潜入するんだけど、ロシアの将軍にベンジーと共に変装し、資料を奪うために出てくるのが透明壁!!特殊なカメラとスクリーンを使って、その場の風景にカメレオンが如く擬態した状態で証拠を入手しようとするんだけど、水滴の音が聞こえる装置(なぜか、ここの気の引き方だけ古典的で笑える)で兵士の注意を引きながら、まるで「だるまさんが転んだ」みたいに徐々に目的の地点に進むんだけど、途中でベンジーの顔がスクリーンに大写しになっちゃうトラブルがあったり、イーサンが一切喋らないプロに徹してるところだったり、サイレント映画的な面白さもあって良かった。

で、結局目的のものは敵に先手を打たれて奪われてしまうんだけど、その後の敵が証拠の痕跡を消すためにクレムリンを爆破(実際の宮殿になんてことを笑)、その爆破から逃げるためにイーサンが全力ダッシュするシーンもすごかったなぁ。

結局、その爆破の容疑をイーサンが着せられて、追われる身となったことに加え、IMF長官(トム・ウィルキンソン「SAS:反逆のブラックスワン」)も死亡、アメリカ政府はタイトルにもある「ゴースト・プロトコル(組織を存在しないもの(ゴースト)と規定)」を発令し、IMFを解体してしまい、イーサンはIMFの援助がないままベンジーとカーター、そして成り行きで居合わせたブラントの4人でミッションに挑むことに。

そして、舞台は変わり、アラブ一の富裕都市であるドバイ!!そこで世界一の高さを誇るブルジュ・ハリーファ・ビルで今作の黒幕「コバルト」であることが発覚した、故ミカエル・ニクヴィスト(「名もなき生涯」)演じるヘンドリクスの使者ウィンストロム(サムリ・エーデルマン「ヴァイオリン・プレイヤー」)と秘密ファイルを奪った殺し屋であるレア・セドゥ(「それでも私は生きていく」)演じるサビーヌ・モローの取引を、お互い顔が割れていないことをいいことに、ウィンストロムにはカーターが、モローにはイーサンとブラントがそれぞれなりすまして(しかも、変装なし!)、それぞれ取引を決行するんだけど、まず、なんといってもイーサンの高所登りシーン!!セキュリティ解除のため、サーバーに潜り込む必要が発生し、今いるところの上階にベンジーの用意した貼り付きグローブだけで渡るんだけど、世界一高いビルというこれ以上ないロケーションで恐怖症でなくともクラッとするぐらいの高さの中、よくわかんないグローブだけで登るというよるべなさ!!しかも、途中でグローブが故障してしまって左手一本だけで登らなきゃいけなくなって余計怖い!!しかも、サーバーエリアに到着したはいいもののそこでもう片っぽも故障!!元の場所に戻るためにはさぁどうする!!という状況下で、躊躇いなしで命綱一本だけでものすごい勢いで降下するイーサン、パネェ〜!!しかも超スピードで降下したとと思ったら元の場所までちょっと足りない!!ということで助走をつけるためにものすごい速さで壁走りしたと思ったら命綱をパッと離してダーイブ!!うわぁ、ダメだ!落ちる〜と思ったらブラントとカーターが足を掴んでくれて間一髪という、この時点で手汗ダラダラですわ笑、どうやらこのシーンもトムホ本人がスタントしたようで凄すぎ!!この頃から本当に無茶やるよな、この人笑!!

他にも客室係に変装したベンジーが義手を使って、袖口からダイアモンドを入手したり、ブラントが瞬きするだけでシャッターを切って画像を印刷できるコンタクトレンズなどスパイガジェットの使い方も小気味良く、その後ウィンストロムと砂嵐が後ろから迫り来る中、お互いが全力疾走するシーンだったり、砂嵐の中、視界が見えない中での攻防など劇中でも一番盛り上がるシーンとなっているんだけど、やはり目につくのはレア・セドゥ演じる殺し屋モロー!!個人的には殺し屋でありながら、ブロンドパーマとセドゥの眠たげな目つき、それとクロノスドレスから溢れんばかりの谷間というトータル込みでレア・セドゥ史上一番魅力的なキャラクターだと思っていて、多分今作きっかけで彼女に注目した人も多いのでは?カーターにとっては仲間を殺した因縁の相手でもあり、彼女とのキャットファイトも良かった(それだけにここでの退場は残念💦)。

それ以降もインド、ムンバイに移ってからのブラント、ベンジーによる磁力によって空中浮遊できるスーツによるあれやこれやのシーン(飛び降りは一作目のあの有名なシーンオマージュ?)だったり、ラスボス、ヘンドリクスとの立体駐車場での死闘など、見所はありながら、やっぱピークは上記のドバイのシーンだったかなぁ。

その後、ヘンドリクスも倒し、核戦争を防いだイーサンたち(ここで、ようやく登場、1番の古株ルーサー(ヴィング・レイムス「ヴェンデルとワイルド」)!)。ここで、実はイーサンの奥さんジュリア(ミシェル・モナハン「ブラック・サイト 危険区域」)をミッションに失敗し、殺されてしまったことをずっと負い目に感じていたブラントがそのことを打ち明けるんだけど、実はイーサンが裏で暗躍し、ちゃんと助けて庇護していたことがわかり、ようやく緊張状態も解け、改めてチームに加入することに。

同僚と一緒にいるジュリアの無事を確認し(陰ながら見守る姿はまさにヒーロー!)、世界のどこかで起きる新たなミッションに挑もうとするイーサンの後ろ姿が白煙に紛れて「ゴースト」のように消え去るラストもカッコ良すぎる!!

いやぁ、改めて観たけどやっぱ面白い。ここで作品としての方向性も定まったという感じでこれ以降よりパワーアップするこのシリーズ!早くも続きが観たい気持ちにさせられる!
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