人生はビギナーズのブルーノのネタバレレビュー・内容・結末

　「監督マイク・ミルズの実体験」という触れ込みがきいているせいなのか、親子の歴史をダイジェスト的に紹介しているにも関わらず、オリヴァーの喪失感をもろに共有してしまった。幸いなことに自分の両親はどちらも健在なのだが、父と子の知的な交流への憧憬があったのかもしれない。

　何よりもユアン・マクレガーの演技が素晴らしく、彼が醸し出す喪失感には間違いなく“時間”が通っていた。親子の間に流れた時間をほとんど映像として見せなくとも、その時間に説得力を与えることができる役者がいるということに衝撃を受けた。

　そして、オリヴァー同様、観客を一目惚れさせるメラニー・ロランの存在感にも拍手。恋愛映画としても素晴らしかった。