ぽち

犯罪河岸のぽちのレビュー・感想・評価

犯罪河岸(1947年製作の映画)
3.4
制作年代を考えれば良く練られたストーリーで、ちょっと力技のどんでん返しのハッピーエンドまで楽しめる作品。

ただ、字幕の翻訳が適切ではないのかもしれないが、不明な点がストレスとなった。

まずドラ。
ジェニーの身代りになろうとしたり、ラストの刑事との「ジェニーを好きなのか?」「はい」という会話からも、はっきりレズビアンだと分かるのだが、なぜか中盤モーリスを誘って浮気している。
この浮気のシーケンスがすごい邪魔なのだが、翻訳が悪くそう勘違いしているのか?
ドラ「なら私を」
モーリス「本気か?」
ドラ「また聞くの?」
モーリス「もう答えたと?」
ドラ「何と言わせたいの?こうなるとわかっていたわ」
ここでタバコを吸いながらベッドに寝そべる
モーリス「私はバカだった 君のような女が必要だ」
ベッドに近づく
ドラ「後悔しないわね 私は変わった女よ」

どうみてもこのあとしてるだろ!

深読みすると、好きな女性の旦那だから共有したいと言う超複雑なレズ心なのか?
今ひとつ解釈に困るところだ。

それと刑事。
まず子供だが養子なのか植民地の女性との子供なのか説明がない。
そしてドラに言った「私に似ている部分が多い 女には縁がないところがね」。
これをどうとるか。刑事もゲイ?
子供が養子だとするとゲイという線が濃厚になる。
でも現地に残してきた女性との子供となると、奥さんを連れて来れなかったと言う意味での「縁がない」と取れる。

個人的には、ドラと刑事がゲイの方が物語に深みが出て面白い。
犯罪サスペンスとしてより、人間描写やキャラが魅力的な作品。

余談。
「ドラ・モニエール」・・・・・・・・・もうちょっとで「ドラえもん」・・・・・・
ぽち

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