みおこし

ゴーストライターのみおこしのレビュー・感想・評価

ゴーストライター(2010年製作の映画)
3.7
今週もユアン祭り〜!今回は彼がヨーロッパ映画賞男優賞を受賞した、ロマン・ポランスキー監督による秀逸なサスペンス。

英国の元首相であるラングに、自著伝のゴーストライターとして雇われた男。執筆を重ねるうちに、彼はラングやそれを取り巻く人々に対して不信感を抱き始め...。

冒頭はゆる〜く始まって、だんだんあれ?あれ?ってなり、最後はうわぁぁぁとなる映画でした(笑)。緩急が激しい...!!さすがポランスキー監督。
『ローズマリーの赤ちゃん』ばりに、出てくる人物全員が胡散臭いし、信用できないし、緊張感がほとばしる。
ゴーストライターという職業自体がミステリアスだけど、そんな彼がどんどん国家機密を知ってしまい、やめればいいのにその答えを探求してドつぼにハマっていくのを見るのはものすごくサスペンスフルでした。

ピアース・ブロスナン、007役のイメージが強いけど本作は善玉なのか悪玉なのか、全くわからない元首相役を余裕たっぷりに演じていて素晴らしかったです。どっち側の人間か分からない役が合いますね(笑)。キム・キャトラルも、今回はお色気を封印して彼の秘書役を演じていました。
肝心のユアンはというと、好青年に見えてどんどん謎を解き明かすべく危険行為も省みなくなるっていう、何かのきっかけで行動がエスカレートしちゃうタイプの男性を演じていて、これまたハマり役でした。『トレインスポッティング』もそうだけど、真面目そうに見えて一癖も二癖もある役が本当に彼はぴったり!!
西部劇の名優イーライ・ウォラックがチョイ役で出ていてそれもまた嬉しかったです。

ラスト、何が言いたいのか分かった瞬間に作中全てを通しての謎が解明され、清々しかったです。からのあの衝撃的なラストショット。全部を見せないところもさすが。渋めのサスペンスでした!!
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