あんじょーら

ゴーストライターのあんじょーらのレビュー・感想・評価

ゴーストライター(2010年製作の映画)
3.7

「おとなのけんか」が楽しかったなぁ、と思い出したロマン・ポランスキー監督、この作品もとても見応えある作品でした!隅々にまで配慮された画像の良さ、出演俳優のキャスティングの良さ、そして何といっても脚本と舞台であるある島の景観等、本当に素晴らしかったです、どこまでもイギリス映画、という雰囲気でした。


イギリス首相経験者であるアダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自伝小説のゴーストライターが不慮の事故で亡くなった事で、その作業の継続を頼まれたライター(ユアン・マクレガー)が招待されたのはアメリカのとある島です。その小さな島に、今アダム・ラング一行は暮らしています。そこで直接取材する許可を得たのですが・・・というのが冒頭です。


確かに元首相の自伝、回想録ですから、多少のきな臭さがあって当然なのかもしれませんが、その特秘ぶりにライターは何か暗い影を感じ続け、それゆえのサスペンス溢れる展開が待っています。物語のネタバレはこの作品の性格上避けますけれど、とても見事な構成になっています。まるでヒッチコック作品のような出来栄えです。


ユアン・マクレガーの演技もとてもイイですし、ピアース・ブロスナンが大仰しいのがとてもリアルな政治家に見えます。途中1場面だけに出てきて強烈な印象を残す老人をイーライ・ウォラックさんがえんじていらっしゃいまして、この方の存在感も凄かったです。



ある意味伏線のすべてを回収していないのですが、そのことで余韻がより一層深くなっている作品でして、こういう終わり方が私は結構好きな作品です。


サスペンス作品が好きな方にオススメ致します。