風神

グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-の風神のレビュー・感想・評価

3.2
NHK BSプレミアム放送分を
録画して鑑賞。

想像していたのとは、随分と違ってた。
でも、リュック・ベッソン監督だしなぁ。
いろいろなバージョンのある作品だが
自分が観たこのバージョンが
リュック・ベッソン監督の
描きたかった世界らしい。

海洋生物好きとしては
冒頭の過去のシーンがモノクロなのが
残念だった。
映画の演出としては、
モノクロで正解だとは思うけど
あの美しい海の景色や
魚やウツボなどをカラーで観たかった。

現実感の無い暮らしをしている
奇妙な友情で結ばれた2人と
現実感アリアリでバリキャリな
ヒロインとの対比が面白い。

エンゾのキャラが素敵。
兄弟や母親との関係性も良い。
彼が、何故あそこまで
リスペクトされてるのかはよく分からん。
良い人だとは思うけど、
ちょっとジャイアンが入ってる。
でもラスト、弟が可哀想だった。

ベッドで寝てて
上から水が溢れてくるシーンは
見応えがありました。
ベッドを逆さまにして
布団や人間を固定したのだろうけど
あの発想は凄いと思う。

ジャックとエンゾの関係性の密度が
暴走気味に炸裂してる。
イルカを散歩に連れて行く時とか
何故、お互いそこまで付き合うのか
ジャックがエンゾを愛しているのかと
疑いたくなるほどの関係。
プールの潜水対決の前なんて
ジャックがエンゾに抱きついて
キスでもするのかと思っちゃった。

現実世界を生きている自分からすれば
ジャックの行動は理解できない。
社会適応力も低いし
エンゾがいなかったら
何も出来ないのではとも思う。
それが、素敵に見える瞬間もあるが
子供ができるという現実に
対応できるとも思いがたい。

とにかく
イルカが可愛い作品。
人間よりも脳が大きく賢いイルカ。
イルカと会話してるのは
夢があるシーンでした。
イルカに、お土産渡すシーンも好き。

実在する人物のお話だが
物語は完全な架空のお話。
実際のジャック・マイヨールさんの
人生もなかなか壮烈であったりする。

2023-265
風神

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