滝和也

アタメの滝和也のレビュー・感想・評価

アタメ(1989年製作の映画)
3.4
紅き情熱の果てに…
その意味不明な恐るべき
情熱は不条理過ぎる
原始の愛か?
略奪!監禁!果たして
二人の運命は…?

「アタメ」

あれ?これ副題で私を縛ってとついてませんでしたか?公開時、なんつうタイトルだ…と思い覚えてました(笑)。巨匠ペドロ・アルモドバル監督の作品だったんですね。まぁ…見たことなかったんですが…初鑑賞です…。

リッキー(アントニオ・バンデラス)は精神病院を退院した。ある目的があり、もうおかしい振りは必要なくなったからだ。何度も脱走していた彼はある女に目をつけていた。元ポルノ女優のマリーナ(ビクトリア・アブリル)。彼女と幸せな結婚をして子をなし家庭を作ると。撮影現場に現れた彼は鍵を盗み、彼女の家に無理やり入り、彼女を監禁する…。

赤い…とにかく紅い…シャアじゃないんだから(笑)。画面が赤いもので埋め尽くされてる…もしくは必ず赤いものがある。まぁ情熱の赤ですからね…リッキーの狂った情熱的な一途さが表れてますかね…。

これ、やってる事は邦画の完全なる飼育と一緒なんだけど…邦画とスペイン映画の差と言うか…監督の考え方の違いと言うか…劇中でスペインとドイツの年金生活者の差が笑い話で出てきたけど…そのぐらい違う。陰キャと陽キャの差みたいな…。邦画は確かに陰キャ多いか…。

ストックホルム症候群の話なんだけど…まぁ…へんなキャラクターが変な恋愛しちゃうみたいな表現が似合う…。バンデラスは2枚目の顔と変な顔を両方持つ稀有な俳優ですね…。どっちもインパクトが強い…。あの変なやつがラストの夕日の中に佇む姿はカッコ良いと言う…。ヒロイン、ビクトリアさんは…丁度いい下品な美人と言う(かなり失礼だが…)。なんかピッタリなんですよね。体の張り方も素晴らしくて…(^^)

物凄く面白いとは思えないけど赤いし、テンポが良くて変な話だけど勢いで見れちゃうみたいな感じ…理論でなく、感性に強烈に訴えてくる作品でした。
滝和也

滝和也