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さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅-のSTAYGOLDぴあ映画生活のレビュー・感想・評価

4.0
炎のさだめ
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別れも愛のひとつだ。

あまやかな痛みが胸にささるそれは、少年が傷を癒やしながら成長するには絶対に必要な生き様。全編に漂う漢臭さは前作から変わらず。

違う星でパルチザンとして生きる友が、自由を生きる海賊たちが、銀幕から魅せつけるのは機械の躰では決して手に入れることできない生きる価値。それは若さの無謀さともひどく似ていて、その瞬間にしか手に入れられないもの。

あこがれのひとの呼び声に応え、再び999で鉄郎が歩む道は、オトナになるための最後の旅路。たとえを大切なものを無くしても、漢には戦わなければならないときが、たしかにある。

二度と無いと思っていたメーテルとの旅。車掌さんもいて、ウエイトレスがガラスのクレアじゃないのが哀しいが、対極のメタルメナにもキチンとドラマがある。

旅の中で、見たくない現実がつまびらかに晒されてゆく。知りたくもない事実。でも、それは母でもあり姉であり恋人であるメーテルの鉄郎へのせめてものつぐないなのだろう。二人に課された踏み絵。それは…真剣勝負の始祖殺し。

その存在を超えてこそ、
本当のミライが見える。

親から子へ。
そして子からまたその子へ。
血は流れ命は永遠に続いていく。
そうやって時は紡がれる。
全てを記憶と、歴史として。
「それが本当の永遠の命だと、俺は信じる」
鉄郎もハーロックの様な戦士になったとき。
きっと理解するだろう。

劇中同様に、今もこの世界は「老害」がいのちを食い物にするシステムだらけだ。だが、今のこんな腐った世界が、くそったれのオトナたちが、全てではない。

きっときみたちが変えられる。
苦難が多いほど、その未来は明るい。
そう信じて歩いてゆこう。

今縛られている世界中の鉄郎たちがハーロックになったとき、その瞳は何を見ているのだろうか-。さよなら…明日を信じて999を見つめるメーテルの想いがせつない。

時代を超えても残る何か。
いつだって答えは 遥か彼方にある
それが映画なのだから。

あれから月日は流れて…
今日と言う日に少年の想いはそらへ還り永遠となった。
偉大なる存在へ感謝を。R.I.P

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