中山弦

ビューティフル・マインドの中山弦のレビュー・感想・評価

ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)
5.0
2021
ナッシュ均衡は大学の講義においてあちこちの分野で学んだ概念、特に耳にしたのはまだ専門を決めていなかった3年前だとかそこらだから、なんだか懐かしい気がした。
専門としてはこの概念を扱うことはないけれど、映画やドラマで尋問のシーンを観たりするときは、囚人のジレンマだとかそういうことを思い出すなぁ。

"人間の美しさは完全であるところにあるのではなく、不完全を克服しようとするところにあるのだ"
という節をどこかの本で読んだ。これを自分を構成していく上での大切な思想の一つにしてる。
しかし近頃の自分といえば、他人の持つこういったものへの情が薄れてきていたのではないだろうか。誰かの"不完全との闘争"を尊ぶ心をより養うべきだということに気付かされたのは、アリシアの心がいつまでもそういったものへの美しさを認めているように見て取れたからだった。許容力、献身さというものの本当の意味を再認識させられた。

時折、完全性だとか普遍性といったような雰囲気を持ち合わせたものに相対すると、それに圧倒されてしまって、美しさの基準を見失うことがあるように思う。しかし、それは人間対してに感じるべき美しさと異なる。生身の人間はもっと異なるところに美しさを持つ。
こういったことを肝に銘じて、これから出会う人の美しさを感じていきたい。

こういう風に書いておきながら、自分はこの文章に登場する殆どの単語に対して、大した知識を持ち合わせていないような気がする。学ばなきゃならないことが多いなぁ。
中山弦

中山弦