佐藤克巳

禍福 後篇の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

禍福 後篇(1937年製作の映画)
5.0
成瀬巳喜男監督の、ご馳走たっぷりのハリウッド製にも匹敵するメロドラマ映画豪華版。大学を卒業し外交官試験に合格した高田稔と入江たか子は結婚を約束した仲だが、父丸山定夫が、桐生で老舗製糸会社の破産を回避する為に高田に政略結婚を強要する。帰省し見合い相手竹久千恵子とは初恋同士で意気投合し、ダンスホールで入江の親友逢初夢子に発見された。入江は、高田と訣別したが、既に身籠っていた。後篇になると、大川平八郎と新婚の逢初が、入江の出産、洋装店就職、下宿の世話焼きをする。次いで、高田の妻竹久が、洋装店で入江と親しくなり、高田が洋行不在の邸宅に招き入れ、入江の養育に手を貸す。高田が帰国、入江の復讐なるかの瀬戸際知恵を働かせ、入江の幼児を入籍させ円満解決となった。その後、入江は託児所で働くのだった。結局、入江・高田プロユニット製作の筈だが、逢初と竹久が役得だった。
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