橙子「お前は生きる意志が全くないクセに死ぬのは御免だという。生きる理由が全くないクセに死ぬのだけは恐いという。生と死のどちらも選べずに境界の上で綱渡りだ。心が伽藍洞にもなるさ」
また別の会話。
式「それ、人は殺せる――?」
橙子「無論だ」
式「ならやる。好きに使え。どうせそれ以外に目的がないんだ」
疲弊し倒れる式。
橙子「目的がない、か。それも悲惨だがね、お前はまだ間違えたままだ。伽藍洞だという事はいくらでも詰め込めるという事だろう。この幸せ者め、それ以上の未来が一体どこにあるというんだ」
心にぽっかり空いた穴を埋めるのは一体何か。それは意外と近くにあることを式はまだ気づかない… いや、気づかないふりをしているだけなのかも?