櫻イミト

ハリーの災難の櫻イミトのレビュー・感想・評価

ハリーの災難(1955年製作の映画)
3.5
ヒッチコック監督のブラックコメディ。シャーリー・マクレーンのデビュー作。

紅葉の季節を迎えたバーモント州の小さな村。元船長のアルバートがウサギ猟をしている途中、男が額から血を流して仰向けに倒れているのを見つけた。驚いて家に帰る。自分が撃ち殺してしまったと思って茂みに隠そうとするが、次々に村の人々が通りかかる。。。

死体を巡って人々の縁が出来て物語が展開するプロットは、小劇場の演劇やミニシアター系の映画で用いられるパターン。本作は先駆けだったかもしれない。死体を見てもあまり驚かない人々の演出は、ブラックというよりも不条理コメディに近い。当時アメリカでは興行的に失敗したとのことだが、小さな映画が好まれている現在の日本なら人気が出そう。

イーストマンカラーの画面が非常に美しかった。映画の作りもところどころに上手いテクニックを感じるのは、やはりヒッチコックの手腕。
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