青二歳

銀色の髪のアギトの青二歳のレビュー・感想・評価

銀色の髪のアギト(2005年製作の映画)
3.1
もう少し評価されてもいいかなと思う作品。特に序盤が素晴らしい。オープニングの世界観の見せ方は本当にうまくて、一気に引き込まれる。素晴らしい。
ただ中盤からの失速はかなり残念。しかし美術や劇伴の作り込みはムラがあるものの一定のレベルを超えてると思うので、アニメファンは観て損はないと思う。

とはいえ本当に話はどんどんつまらなくなっていく…森に支配されながらも共存を目指すのか、森を支配するのか、人類の文明の行く末について可能性を提示しておいて、結局核心に触れないのは如何なものか…
相対主義的な見せ方をするとか、敢えて答えを出さないとかですらない。生き方の違う人間が対峙する以上、政治的なドラマが展開してくれないといけないのに、キャラクターの思想や立場があやふや過ぎて、どんどん空虚になっていく。
メインストーリーを主人公のラブロマンスにしたいのかもしれないけど、出会って1日程度で敵味方に分かれているので、どうしてここまでヒロインを追うのか理解しがたい。主人公お前一目惚れのストーカーじゃねぇかと誹りを受けても致し方ないありさま。
それでも周りの大人たちによる政治的なドラマが進めば、世界観は奥行きを増し、人物造形も深まるのだろうが、それが無いので主人公の動機は最後までよく分からないままである…
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