みおこし

巨星ジーグフェルドのみおこしのレビュー・感想・評価

巨星ジーグフェルド(1936年製作の映画)
3.3
また3日くらいかけて鑑賞(笑)。アカデミー作品賞を観よう第10弾!!今回は1936年度受賞作。約81年前。

フローレンツ・ジーグフェルドといえば、20世紀初期の大衆娯楽の代表格である「レビュー」と呼ばれる、派手で大規模なショーを興行し、様々なスターを発掘したことで知られる伝説的な舞台演出家。そんな彼の人生を描いてます。

うーん、比べてはいけないんだろうけど、1930年代の作品賞受賞作は本当に両極端だなと最近観ていて思う。
1934年の『或る夜の出来事』、1939年の『風と共に去りぬ』が頭3つ分くらい飛び出してる。他の作品は、確かに派手だし面白いけれど果たして作品賞を受賞するほどなのかな、と疑問に感じてしまう作品が多すぎる。今回も、すごく豪華だけどそこまで...って感じで、「時代を超えた名作」と形容はできなかったです。

インターミッションが入るくらい長いんだけど...ほぼジーグフェルドの人生というより、レビューのシーンに賭けてる印象(笑)。
『ファニー・ガール』のモデルになっている伝説の女優ファニー・ブライスや、『オズの魔法使』でカカシ役をやっていたレイ・ボルジャー御本人が出てきて、歌ったり踊ったりしてくれますが、正直今見てもあまり感動しない...。(当時活躍した同じダンサーでもフレッド・アステアが時代を超えて今も人気があることのすごさを痛感)それがひたすらレビューシーンとして続くから観ている方は辟易しちゃう。
ただ、前半の最後に登場するかの有名な階段のシーン。ここはもう鳥肌立つくらいの圧巻な描写です...!!
何百段にも及ぶ巨大階段のセット、豪華衣装を身にまとったダンサーや歌手が一斉に動き出す。カメラが引くと、カーテンや装飾まで超巨大。そんな中、全長10メートル、いや20メートルくらい?の階段が回るんです。どれだけの予算、スタッフを使ったのかと思うと気が遠くなるくらいの大迫力。このシーンだけでも観て欲しい(笑)。

本作でオスカーを獲得したルイーゼ・ライナーは、ジーグフェルドの最初の妻役。落ち着きもないし、おバカさんだし、やけにプライド高いしで、相当観ててイライラする役でした。なんでこれでアカデミー主演女優賞なんだろう...。
まだ2人目の奥さん役のマーナ・ロイの方が感情移入できた。
主役のウィリアム・パウエルは決して目立つ役者さんではないけど、本作ではとにかく豪華なショーのためならどんな苦労もいとわない、ショーマンシップの塊のジーグフェルドを好演していました。徹底的に人を楽しませるために尽力するその姿は、確かにアカデミー賞の会員にもきっと当時響いたんだろうな〜、と納得。
...でもそれにしても長すぎる!!いらないシーンが多すぎる!!

ジーグフェルドの人生を描いたドキュメンタリーとして捉えればもう少し楽しめるかもしれません。
オープニングテロップは今見てもオシャレでした!
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