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コンクリートの消費者のレビュー・感想・評価

コンクリート(2004年製作の映画)
2.1
・ジャンル
ノンフィクション/ドラマ

・あらすじ
柔道部で優秀な成績を収めていた高校生の大杉辰夫
彼はそれ故に嫉妬した先輩達から執拗なイジメを受けていた
嫌気が刺した辰夫は自主退学し、タイル貼り業者へと就職する
元より血の気の多い彼はその後も問題を起こし保護観察処分の身に
その後も荒れた生活を改善する事もなく家では母に暴力を振るいシンナーに溺れる辰夫
しかしある日、職場に中学時代の同級生でヤクザとなった島田がやってきたのをきっかけに状況は更に悪化してしまう
彼の誘いを受けて組に入った為だ
当初の組員達の話とは違いシノギはろくに儲からず少ない利益も上納金でほとんど持っていかれ目的だった恋人、佳代子との結婚資金を貯める事もままならない中で一度は離脱を考えた辰夫
だがそう簡単に許されるはずもなく仕方なく留まり続けた末に下部組織の創設を許される
そうして辰夫は後輩達や佳代子の弟である隆男を引き入れて龍神会を結成
それを機に辰夫の悪行はエスカレートし続け、やがて凄惨な事件を巻き起こす事となる…

・感想
88年から89年にかけて起こされた悪名高い少年犯罪、“女子高生コンクリート詰め殺人事件”を題材とした渥美饒兒によるノンフィクション小説、「十七歳、悪の履歴書: 女子高生コンクリート詰め殺人事件」を原作として製作された作品

劇中で龍神会の面々による被害者である女子高生、美咲への仕打ちは極めて悪質なものの実際に行われた事はそれ以上に酷かったという事実があまりにも胸糞
描かれている物もレイプや異物挿入、皮膚を焼いたり殴る蹴るを繰り返すなどの容赦のない暴行、それによって赤黒く変色し膨れ上がった顔や垂れ流し状態にされるが動く事も出来なくなった姿などひたすら悲惨だった

実際に起きた事件として後世に残し忘れ去らせないという意図で映画を製作する事自体は良い事だと思う
ただエンタメにする訳に行かない事もあって拷問ポルノ的な映像が続くばかりなので作品としてどうなのか?と問われると正直何とも言えない
被害者がいる以上、面白くする必要はないにせよ社会への注意喚起や司法への異議を軸とするのならもう少し出来る事があったと思う
美咲の遺体を遺棄してからもすぐに逮捕された辰夫への聴取の場面へと移ってしまい警察が果たす役割が少ないのも気になった
使用した薬物がシャブからシンナーに変わっていたのも良く分かんないし…

結局、淡々と羅列する様に悪行が描かれるだけなのでストーリーになってない感じがしちゃうんだよなぁ…
せめて少しでも精神分析的な要素があればまだ良かったんだけど…
実話物なんだからもっと丁寧にやって欲しかったというのが率直な感想
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