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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にのYOUのレビュー・感想・評価

3.8
庵野秀明が総監督と脚本を務めた、1997年公開の劇場版第2作。
TVシリーズで最も物議を醸した第25話「終わる世界」と最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」をリメイクした本作、話には聞いておりましたがやはりとんでもない内容でした。印象的なゴア描写や鬱展開のみならず、脚本、演出、編集、音楽、演技など本作を構築するもの全てがトラウマ級のインパクトを植え付けて来ます。TV版のレビューとも重複しますが、やはりこれ程までの劇薬エンターテイメントは今後二度と出て来ないでしょうし、そんなシリーズに一般大衆がこぞってのめり込むという異様な状況も今では作り手本人でさえ再現不可能だと思いますね。とは言え、私はTVシリーズのラスト2話も嫌いじゃない(これは『シン・エヴァ』という綺麗な終着点の存在を認知しているからこそ言える感想だとは思いますが…)ので、本作とTV版を見比べてみたくもなりました。

かの有名なエンディングも、通しで観るとその切れ味の凄まじさに鑑賞後しばらくは動けませんでしたね。とにもかくにも、今回エヴァシリーズをイッキ見してみて痛感したのは「リアルタイムで体感することの意義」、これに尽きます。サブスク時代になった今だからこそこの感性は大事にしたいですし、それだけの熱狂を生み出す「流行りモノ」ってやっぱり凄いですよ。以前は私も流行りモノに対して敬遠気味なスタンスを取っておりましたが、やはり時代を目撃しておくとそれを後々思い返しても楽しいですよね。なので、エヴァ時代には参戦出来なかった人間としても今後はそういった視野をもっと広げていきたいと思います。



























































「本命では欲情出来ない/少しでも欲情するととてつもない罪悪感に苛まれる」という中学生男子のナイーブな感覚を思い出した。その昔、私もアーティスト・タレントとして大好きだったPerfumeの「いつもより露出多めな衣装」を見て一瞬ドキッとした事に対して「最低だ…」と一日中自分を責め続けました。自分にも可愛い時代ってあったんだ。
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