Sus

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にのSusのレビュー・感想・評価

4.0
他人を拒絶すれば傷つかない。しかし一人ぼっちはつまらないという誰でも抱えたことのある葛藤を描いた作品。

最後アスカの首を絞め殺そうとするが頬を撫でられるという最小限の愛情表現を示されただけでコロッと心変わりするシンジ。これはアニメという虚構の世界に引きこもり、ネットで他人を罵倒する童貞を抉らさせたようなオタクにそっくりだし、最後の「気持ち悪い」はそんな視聴者に向けられていると思えた。
昨今オタクに媚びるだけの箸にも棒にもかからない作品が多い中、オタクを傷つける本作は素晴らしいアニメだと思う。

しかし、残念なのはエヴァの戦闘シーンが少なく迫力と緊張感に欠けるのと、人の内面を描いたシーンが多くて冗長に感じられることだ。ロボットアニメだと思ってみると、あまりの人の描写の多さに期待を裏切られるかもしれない。

とはいえそれを差し引いても面白い作品だと思うし、画面に映るシンジ君を見てウジウジするなと思いつつ自分にも同じようなところあるよな...と身につまされる作品でもあった。
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