Hiro

大いなる幻影のHiroのレビュー・感想・評価

大いなる幻影(1937年製作の映画)
4.5
川崎市アートセンター10周年記念のデジタルリマスター版を鑑賞。映画の教科書とも言える不朽の名作。映画の真髄とも言える映像による状況・心情描写の巧緻、大胆な編集による無駄のない時間表現、象徴的とも言える登場人物のキャラ設定などに目を見張る。
仮に成功しても又戦場に戻ることが分かっていても脱走を繰り返す捕虜達、過去の遺物とも言える貴族の誇りにすがる将校、別れが来るのが分かっているのに惹かれ合う男女…時代の大きな渦の中で翻弄される人々の人生そのものが幻影ではないか、と作者は言いたいのだろうか。それを重厚ではなく軽妙に笑いを誘いながら描くルノワールは凄い!
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