地方予選

人間蒸発の地方予選のレビュー・感想・評価

人間蒸発(1967年製作の映画)
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強烈〜

行方不明者の所在を探すドキュメンタリーとして出発するんだけど、登場人物(ドキュメンタリーだから取材協力者と言った方が正しいか)がドキュメンタリーの虚構性に気がつきキャラクターを演じ始める。どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションか分からない。現実と虚構が綯い交ぜになって誰も歯止めが効かない。東海テレビの『さよならテレビ』にも似たようなことがあった気がする。特に失踪者の婚約者の姉を取り調べるため彼女のアパートらしき場所の四方の壁が、今村監督の号令によって倒され、実は撮影所のセットであったことがわかるシーンには困惑した。セットの倒壊は『田園に死す』、ラストの露口(インタビュアー)と早川(失踪者の婚約者)の語りは映画にピリオドを打つことを拒否した『書を捨てよ町へ出よう』を彷彿とさせる。てか寺山修司が真似したのかな?
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