いたみ

人間蒸発のいたみのレビュー・感想・評価

人間蒸発(1967年製作の映画)
-
ドキュメンタリーという創作について、過激に挑んだ傑作映画。とはいえ手放しに褒められないのは、今村昌平が「カメラの加害性」について一切目を向けないところ。
いなくなった恋人を探す悲劇の一般女性を撮ろうとしたら、カメラの前で女がどんどん女優になってしまった。監督の苛立ちはかなり理解できるし、たしかに女は大変変わり者で、結果とんでもない機転を効かせた後半15分はおみごと。
しかし、そらカメラ向けられて素でい続けられませんよと、同情もする。ホームビデオで5歳撮ったってカメラ目線で語り出すもの。完全にネズミが悪いように言っちゃ、可哀想だよ。
でも好きになっちゃうのは面白い。面白いだろ、この女は。
いたみ

いたみ