まーぼ

幻の湖のまーぼのレビュー・感想・評価

幻の湖(1982年製作の映画)
4.0
琵琶湖のほとりで犬とジョギング、ソープ嬢の控え室トーク、復讐マラソン、束の間のデート、戦国時代、そして再度復讐マラソン。
脚本の神様橋本忍が「作品をジャンル分けされてたまるか」とでも言わんばかりに行き先不明の映画の旅に連れ回してくれた。
勿論伏線回収といった甘いゴールも無い。ヒロインがくたくたになって作曲家を抜き去り「勝った」と雄叫びをあげた時には彼女同様くたくただった。しかしなんだ、この不思議な爽快感は。
上映された当時この映画をこき下ろした日本人たちよ、僕の方が映画に対して懐は広いぜ。当時の酷評なんか無効にしてやる。それくらいこの怪作は新文芸坐の大きいスクリーンで浴びる価値があった。
このデビュー作から数年後には女優から足を洗ってしまった主演の南條玲子が何気に魅力的だった。その走りっぷりは勿論のこと、複数パターンあるジョギングルックとその他シーンのファッショナブルないでたちにも地味に釘付けだった。
また何年か先にどこかの名画座でかかったら必ず再見しよう。
(新文芸坐)
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