前半の「PERFECT DAYS」的風味から中盤以降の予測不能な展開に思わず前のめりになってしまった。どこまでが夢か妄想かわからない。年老いて孤独になればなるほど妄想に支配され頭の中は常に賑やかなのか>>続きを読む
カエルの成長する過程が微笑ましくも頼もしい。仕上げは姐さん直々の筆下ろし。すぐさま察する大泉洋に笑ってしまった。70年代風味を醸し出すふわっとした音楽も印象的。面白かった。(TOHOシネマズ新宿)
ロイと出会っていなければ現在のドナルド•トランプは出来上がっていなかったのではと心底感じさせるような3つの教えに震えた。劇中強烈な覚醒シーンはなかったが気がつけば今に通じるモンスターに変貌しており、さ>>続きを読む
悪くないが、どうしてもオリジナル「エマニエル夫人」のシルビア•クリステルと比べてしまうのが凶と出てしまう。終始不穏だが安易な謎解きやオチに依存しない文学的な作風には不思議な心地良さを貰えた。(TOHO>>続きを読む
8割方、久我美子を愛でながら久我美子に引っ張られる映画であったが、終盤の有馬稲子と高千穂ひづるの数分のやり取りがこの物語の本質だった。この上映時間であれだけの顛末と心情を伝えきるあの時代独自の作り手の>>続きを読む
三船さんが三船さんらしさを貫いていたのが最高だった。欧米人の視点からどこか正体不明のような感じで描かれる不思議な日本人描写も嫌いになれない。安定の極悪シャープなアラン•ドロンに比べて今作のチャールズ•>>続きを読む
のんが自らを全身全霊で叩きつけるように役柄に憑依していた。やはりこの女優の画面コントロール能力は凄い。1980年代ファッション七変化は延々と眺めていたい。中盤おもむろに現れた橋本愛も嬉しいサプライズ。>>続きを読む
映画没入少年の一連の振る舞いは映画好きとしては共感と反省が混在する不思議な感情を貰えた。映画館を出て無性に人に質問がしたくなった。「マグノリアの花たち」は観なければ。(ヒューマントラストシネマ渋谷)
ムファサよりタカの物語。自分の思い通りに進まない事の方が多い人生を歩んだ人間ほどタカの方に感情移入してしまう。観終えた後でまたオリジナルのライオンキングが観たくなる素晴らしい前日譚だった。
身体の中で起こっている事を擬人化されたキャラクターたちにより見事に見える化された肉体版「インサイドヘッド」は非常に勉強になった。そしてそれらの外で起こる実際の人間ドラマはまさかの報告に向かうがこちらも>>続きを読む
40年前の映画なのに、そこで語られる言葉がすべて現代にあてはまる、いや刺さりまくる超普遍的な作品で驚いた。会長の演説なんてまんま今に響く。「ジョーカー」に影響与えたのは「キング•オブ•コメディ」だと思>>続きを読む
超加工食品という言葉はこの映画における特殊な名称かなと思って調べてみたら一般的に使用されていて驚いた。我々日本人も摂取する食品の約3〜4割は超加工食品が占めているらしい。まずはこの比率を下げていくよう>>続きを読む
こんなにもシンプルな画風とストーリーで人間の優しさやずるさ、せつなさ、希望を染み渡らせることができるのか。今後「September」を聴くたびにこの映画がよぎるはず。次のロボットに対しては錆び対策を徹>>続きを読む
過ぎたるは及ばさるが如し。ビーガンお父さんもそこそこ意識高い系なのにそれすら古いと言い切る意識高い系の過激派版。エンディングの時点で既に末路だが更なる末路が容易に想像できる恐ろしくもお洒落なブラックク>>続きを読む
こんなに完璧に心を温めてくれる作品だったか。のちに類似版がいくつか出たがやはり本家には敵わない。紙芝居とヒューのダンス、そして最後の空港ロビーが本当に最高過ぎた。
主人公の逃亡先で関わった人たちの連帯がたまらない。あれがあったからこそ終盤なかされた。横浜流星の五変化は素晴らしかった。
ベンチだけでよくあそこまで。岸井ゆきのと岡山天音の言葉尻合戦が最高だった。
庵野さんも山崎さんもどれだけこの映画に影響を受けたかが心底染み渡った。
中井貴一が石坂浩二を「田村くん」と君付けする台詞に不思議なテンションの高まりを覚えた。82年デビューの同期ふたりが激渋おじさまと美熟女としてスクリーンを支配。思えば遠くに来たものだ。
キラキラした就活生たちのドロドロした黒い部分をとことん浴びたかったが、物語は実に優しく着地し若干物足りなさを感じた。浜辺美波のスクリーン映えは毎回素晴らしい。久賀を演じた彼は朝ドラヒロインの彼氏か。
劇中誰かの「凄いスピードでテクノロジーが進化している」という台詞が見に染みる前半だった。本当にすぐそこにある未来に身震いした。主人公が母親のVFに近寄り過ぎてとんでもない本心を知って狼狽する予告編映像>>続きを読む
生死の境い目を彷徨う擬似体験が出来る映画だった。途中出会う人たち皆んなあちらの世界の住人のよう。映画が幕を閉じて感じる現世に戻って来た感たるや。笑顔を封印し殆ど声を発しない本来の武器を取り上げられた綾>>続きを読む
公開時以来なので約21年ぶりの鑑賞。日本の描かれ方は色々指摘を受けがちだが個人的には海外の視点で創作される若干違和感覚える日本並びに日本人描写に逆にテンションが高まる。今や時の人である真田広之は只者で>>続きを読む
ご都合主義満載な物語展開なのになんでこんなに泣けてしまうのか。常に誰かが誰かを助けて世界は回っている事が理屈を超えて染み渡る優しい映画だった。主演の黒木華、安藤玉恵、西田尚美、風吹ジュン、そして草笛光>>続きを読む
凄まじいまでの極限追い込みを目撃させられた。あれだけ突き進めばいずれは見えてくるはずの光が現れるどころかより暗闇に自らを放り込んでいく。音楽も意地悪だ。中盤のとあるトレーニングシーンは被せる音楽によっ>>続きを読む
中盤過ぎていきなり日本語が鳴り響き不思議な驚きを貰えた。冒頭の飛行機での会話も振りだたのかな。100年前の日本統治時代かと思いきやあんなに遡るとは。思いのほか出てくる言葉に違和感なく、話される日本語も>>続きを読む
今回は誰もスマホを落とさなかった。成田凌演じるシリアルキラーが人間的に変貌する様はジョーカーがアーサーに戻る寂しさに通じるものを感じた。高石あかりが現れるとなんでもベイビーワルキューレに見えてしまう病>>続きを読む
仲野太賀史上最高にかっこいい仲野太賀だった。タイトルの「11人」という意味を我々観客に叩きつけるようなあの台詞。そして何より殺陣の素晴らしさ。泣けた。歴史の教科書では一行に満たない出来事の中であったか>>続きを読む
ジョシュ•ハートネットの普通のおじさんと狂気のシリアルキラーの表情の行ったり来たり感が素晴らしかった。前半のライブ会場はまるでそこに居るかのような臨場感だった。じわじわと異変が忍び寄る感はどこかヒッチ>>続きを読む
人の心をどこかに置いてきたかのような佐分利信と彼かに抗う息子仲代達也の一族内紛争の顛末にひたすら引き込まれた。「倍返し」に一歩届かずな展開も当時のリアルなのか。京マチ子の存在感が半端ない。昭和男で充満>>続きを読む
「それ」とはそれだったのか。切ない、いや怖い。葬られ方が酷い、いや怖い。俳優陣、特に井浦新の「それ」の演じ分けが素晴らしい。こういうSFは思いもよらない角度から問題意識を貰えるので不思議な充実感に満た>>続きを読む
一作目でアーサーがジョーカーに覚醒する光景に気持ちを全部持っていかれた者としては、今回の「結局アーサーでしかなかった」感は非常に寂しかった。そんな彼を見て興醒めしたかのように去っていく裁判所の傍聴者や>>続きを読む
「スミス都へ行く」のディストピア版か。銃弾の盾となり自らの命を守ってくれた師匠に目もくれず最後の獲物に向かう少女のジャーナリストとして覚醒するシーンが頼もしく、そして恐ろしかった。
最高に面白かった映画を観た数日後にその映画の撮影風景をスクリーンで観る事のできる幸せ。あの凄まじい格闘シーンはアクションが出来る俳優さんがさらっと演じるのではなく、池松君曰く「眠れなくなるほどの」身体>>続きを読む