まーぼさんの映画レビュー・感想・評価

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黒川の女たち(2025年製作の映画)

4.0

集落を守るために自らの身体を強制的に差し出す事を強いられた彼女たちの満州における生き地獄、さらに帰国後の差別と偏見、挙げ句の果てにあの出来事がなかった事にされていた事に言葉を失った。何十年の時を経て残>>続きを読む

逆火(2025年製作の映画)

4.0

主人公の葛藤が即ちこの映画の作り手の葛藤でありすべての映画人に向けての問題提起であると感じた。自分ならどうすると常に問いかけながら映画を追った。監督になる夢を叶えても娘のあの行く末。いろんな思いを巡ら>>続きを読む

顔を捨てた男(2023年製作の映画)

4.0

前半は天使のようだったイングリッドが実はただの奇形フェチのように感じ厭な気持ちに溢れた。顔面以外は完全無欠なオズワルドも胡散臭くなる後半の展開も最低で最高だった。感情の行き場を失わせる意地悪な映画だが>>続きを読む

「桐島です」(2025年製作の映画)

3.8

「逃げ抜いた」50年間ではなく、一日一日をただただ「積み重ねた」50年間がじわりと伝わる作風であった。実際のところは不明だが、これだと怪しまれないであろうなというキャラクターを毎熊さんが絶妙に演じてい>>続きを読む

この夏の星を見る(2025年製作の映画)

3.8

コロナ禍によって奪われたものの大きさが当時の高校生目線で追体験することにより悔しさとやるせなさに溢れてしまう。それに抗う若さの強さも存分に伝わる作風であった。「虎に翼」チーム集結に密かにほっこり。(新>>続きを読む

愛されなくても別に(2025年製作の映画)

4.0

宮田が女教祖に飲み込まれそうになった時に全力で守り抜こうとする江永に心底痺れた。宮田が母親に家族辞めて自分の人生を生きる事を誓う場面に心の底から拍手した。ふたりには本当に幸せになって欲しい。(新宿ピカ>>続きを読む

海がきこえる(1993年製作の映画)

4.0

シンセ風味な独特な音色に包まれた懐かしき90年代初頭をまるまる抱きしめたいほど愛おしく感じた。高知弁がすんなり入ってくるのは毎日朝ドラあんぱんで浴びているから。島本須美が方言指導で加わっている事も作品>>続きを読む

夏の砂の上(2025年製作の映画)

4.0

オダギリジョーと高石あかりの心の距離が縮まる感じがなんとも言えない味わいがあり、終盤にかけて説明できない涙が溢れてしまった。高橋文哉は朝ドラあんぱんの健ちゃんと話し方やキャラが被っており若干ややこしい>>続きを読む

ババンババンバンバンパイア(2025年製作の映画)

3.9

森蘭丸を巡るさまざまなキャラ達のトーナメント戦に楽しませていただいた。にしても吉沢亮の芸域の広さたるや。朝ドラの三女もしっかり可愛かった。(新宿ピカデリー)

ハルビン(2024年製作の映画)

4.0

「その時歴史が動いた」の「その時」に至る描き方が秀悦で、特にあと2日あたりからは緊張感が半端なかった。一時的にスパイになったあの男が最後に果たすひと刺しも痺れた。やはり韓国映画復讐描写が素晴らしい。(>>続きを読む

F1®/エフワン(2025年製作の映画)

4.0

最初から最後までブラッド・ピットが理屈抜きにかっこいい。テニスボールを両手に握ってジョギングしたくなる。(新宿ピカデリー)

しとやかな獣 4K版(1962年製作の映画)

4.0

なんという面白さ。若尾文子目当てで来たけど結果的には山岡久乃に釘づけだった。ラストのあの表情がたまらない。夕日をバックにゴーゴーダンスを狂ったように踊りまくる姉弟も凄まじい。パラサイトもそうだけど、家>>続きを読む

でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男(2025年製作の映画)

4.0

綾野剛の演じ分けが凄まじかった。他人やメディアの評判や切り取りによって見方かあれほどまでに変わることが客観的に染み渡る素晴らしい演出だった。主人公が報われる流れに落ち着きよかったが、実はさらに酷い体罰>>続きを読む

清作の妻(1965年製作の映画)

4.0

戦争と村社会に備わる愚かさと恐ろしさに対して唯1人で立ち向かう若尾文子が実に神々しい。本来そういう目的ではなかったにしろ清作に孤独である人間の気持ちを心底理解させた流れにも痺れた。独りで突き進む勇気を>>続きを読む

妻は告白する(1961年製作の映画)

4.0

全編通していかにも救世主風に振る舞う川口浩が終盤にかけて薄っぺらくなっていく。若尾文子演じる主人公に対して感じる説明不能な共感を本来彼女の敵であるはずの婚約者の女性のあの言葉が見事に説明してくれた。実>>続きを読む

脱走(2024年製作の映画)

3.8

北から南に逃れて生活が一変。ラストはまるでタイムマシンで数十年後の未来に飛んだかのよう。(新宿ピカデリー)

秘顔-ひがん-(2024年製作の映画)

4.0

女性ふたりの主導権がころころ変わる面白さ。奴隷女子はその気になればもっと残虐なラストに導けたはずだが意外と場当たり的な立ち振る舞いだった。結局何もできなかったあの男のラストゴルフに出かける時の尻すぼみ>>続きを読む

We Live in Time この時を生きて(2024年製作の映画)

4.0

主人公の人生の残り時間がわかっている状況下において時系列をバラバラにすることにより彼女がこれまでの人生で触れてきたすべての時間が等しく尊いことが強く伝わってきた。終始力強いフローレンス・ピューもよかっ>>続きを読む

メガロポリス(2024年製作の映画)

3.6

ストーリーそのものは全く重要ではなく、巨匠が撮りたい映像をやりたい放題スクリーンに投影された印象。楽しい場面もあったが、やはりしっかりした物語が欲しかった。(TOHOシネマズ新宿)

ルノワール(2025年製作の映画)

4.0

キャンプファイアーで、YMOのライディーンで踊るシーンが衝撃的。80年代後半の設定らしいが、当時そんな学校はあったのだろうか。
フキとリリーフランキー演じるお父さんとの距離感がなんとも言えず愛おしい。

ドールハウス(2025年製作の映画)

4.0

見えないところで動いているのが怖い。聞こえないところで話しているのが怖い。とにかく、しっかり怖かった。前半は長澤さんで途中瀬戸くんが中継ぎ、最後はふたりでという流れが不思議によかった。安田顕が実に贅沢>>続きを読む

フロントライン(2025年製作の映画)

4.0

指揮官、現場、役人、それぞれの立場の苦悩が染み渡る。当時表面的且つ断片的にしか知り得なかった船の内外のやり取りを疑似体験できただけでも映画館に足を運んだ意味があった。現場で何を優先すべきかを把握し本部>>続きを読む

リライト(2025年製作の映画)

4.0

尾道・ラベンダー・尾美としのり&石田ひかり‥大林宣彦監督オマージュ満載の世界観に酔いしれた。それぞれ30歳前という実年齢でありながらら女子高生時代と10年後の世界を見事に演じ分けた池田エライザと橋本愛>>続きを読む

ヌードの夜 HDリマスター版(1993年製作の映画)

4.0

エンドロールの最後に示されたあの状況により終盤のナミは幽霊若しくは誰かの妄想てまあることを知り背筋が凍った。椎名桔平演じる本気でやばいあいつの「あにぃ」が耳から離れない。(シネマート新宿)

国宝(2025年製作の映画)

4.0

3時間ずっと前のめりにさせてくれる映画なんて何年ぶりか。いや、初めてでは。幼馴染どうしの男ふたりがお互いの才能や環境に嫉妬しながら時期により優劣がコロコロ変わる様はまるで攻守めまぐるしいプロレス名勝負>>続きを読む

見える子ちゃん(2025年製作の映画)

4.0

物語の進行上、一見それほど重要ではない要素が終盤にかけて戻ってきて涙腺すら破壊しかねない中村義洋監督マジックにやられてしまった。仕事の時もSNS上でも嫌な人は無視するのが最強の対策である事を教えてくれ>>続きを読む

マリリン・モンロー 私の愛しかた(2022年製作の映画)

4.0

いわゆる誰もが知るマリリンのイメージは当たり前だけど本物の彼女のほんの一部分であることに気付かされた映画であった。ノーマ•ジーンの頃はほぼ別人であり、あの境遇から抜け出すためには必要な変身だったのだろ>>続きを読む

か「」く「」し「」ご「」と「(2025年製作の映画)

3.9

桐島や羅生門を彷彿させるが少し異なる新鮮な多面映画だった。主人公は「Cloudクラウド」のあいつだったのか。

お嬢さん(2016年製作の映画)

4.0

第二幕で判明する鮮やかな二重構造に酔わされた。彼女たちが貝合わせしながらまるで腕相撲のようにお互いの手を握り合う連帯描写が素晴らしかった。(新宿武蔵野館)

花実のない森(1965年製作の映画)

3.9

田村高廣がとにかく気持ち悪い。前半はこれに尽きる。その世界観の中でも際立つ若尾文子の美しさがこの不思議な物語に説得力を与えていた。そして終盤、あの男が強引にこの映画の幕引きのために再度現れた時にはテン>>続きを読む

金子差入店(2025年製作の映画)

4.0

真木よう子演じる奥さんがたまらなく良い。子どもが学校でいじめに遭い自らも職場で冷遇どころではない状況下において普通なら旦那に刑務所への差入代行の仕事を辞めてくれと嘆願するところを、「あなたは凄いことを>>続きを読む

ガール・ウィズ・ニードル(2024年製作の映画)

4.0

人間は無限に恐ろしくなれる。本来あの人も主人公の命の恩人のような登場だっただけに色々身震いさせられる。「あなたは正しいことをした。」あれ自分に言い聞かせていたんだろうな。あそこに至る彼女の半生も覗いて>>続きを読む

サブスタンス(2024年製作の映画)

4.0

性別問わず年齢的に様々な状況でもはや全盛期を過ぎ若手に追いつき追い越されようとしている人たちにとっては身につまされる映画。もちろん自分も対象者であり身震いしながら見続けた。やがて半目し合う彼女たちが製>>続きを読む

鎮花祭(1960年製作の映画)

4.0

65年以上昔の作品なので男から女へのモラハラ展開は想定内だが、この映画の作り手の視点がこの時代にしてはかなり女性側に寄り添っていることに驚いた。関連人物がすべて揃った状態で遅れて登場した鬼畜兄根本が「>>続きを読む