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英国王のスピーチのBのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
3.7
ジャケットだけ観て、堅苦しそうな作品だと敬遠していたが、なんのなんのとても観やすくのめり込み、感動しました。
これはお勧めしたい映画の一つ。

敷居の高いイギリス王室についての難しい儀礼的なお話じゃなく、
恵まれてそうで、全く過酷な幼少期を過ごしてきたジョージ6世が、結婚もしエリザベス含む女児2人の父にもなり、王位継承ものしかかって来ている混乱の中で、吃音にずっと囚われもがき苦しんでいるお話。

何が良いって、役者3人が実に魅力的。ジョージ6世演じるコリン・ファースと彼を支える妻をヘレナ・ボナムカーターの怪演じゃない個性的な上手さが際立っていた。
そして言語療法士ローグのジェフリー・ラッシュ。
毅然として懐が深く、静かな優しさと折れない厳しさが素晴らしい。
王とローグの間に、生まれそうで生まれない信頼関係を築く難しさが興味深かった。
泣かせにかからないのもよかった。

王室であろうが平民であろうが親に抑圧されて育てられた環境では、何かが欠如して何かに渇望するバランスを崩して苦しむ人間、大人になってしまうんだとつくづく思った。
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