トトCINEMAライフ

英国王のスピーチのトトCINEMAライフのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
4.2
何度観ても良い作品がある…意図的では無い、再放送でさえも つい見入ってしまう、手元にソフトを持っていたとしてもだ

本作は、個人的にそういう作品に入っている…

若い人が観たとしても偉人の伝記でもないし、戦争映画でもない…舞台はイギリス王室だが、あくまでヒューマン・ドラマだ

決して派手さは無いし、むしろ地味だが、観る者を引きつけてやまない娯楽作品

コンプレックスによる劣等感、心の歪み、対人関係、突然降って湧いたような重責を果たそうとする責任感からの焦りに苦しむ国王を演じるコリン・ファースの表情の変化

苦しむ伴侶を支え見守り続ける妻ヘレナ・ボナム=カーター

そして・・・個人的にはイギリスだけでなくアカデミーの助演男優賞にも相応しい演技のジェフリー・ラッシュの出世物語でもあると思う…依頼者の信頼を心から得るというのは、こういう事と学びも多い…

驕らず偉ぶらず昂ぶらず、浮つかずに毅然と信念を持つ、そんな人間像に+ほんの少しのユーモアとチャーミングさが加わる事で魅力溢れるキャラクターになった👍

"ハリー・ポッター"の2代目校長先生のマイケル・ガンボンの貫禄の存在感も見逃せない!

人間が持つ劣等感を克服して成長してゆく姿を面白おかしく描いた物語は普遍のテーマかも知れない…

それぞれの映画賞受賞も納得の傑作だ👍