Taizo

英国王のスピーチのTaizoのネタバレレビュー・内容・結末

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

前々から気になっていた映画だったのですがようやく見ることができました!
英国王のスピーチ、、、、なんのスピーチなのだろう?なんで映画になったんだろう?いつの時代の話なんだろう?、、、見る前からタイトルだけで色々気になっていました。

まさか第二次世界大戦直前で、吃音に苦しむ国王が主人公だったとは、、、
僕は想像力があまりないので映画を見ると大抵の場合想像の上を行くことが多いのですが、この映画はかなり想像の上を行く深い話でした。

さらに国王がせいぜいその妻と頑張って困難を克服するだけの話かと思いきや、ライオネルローグというカギを握る人物が登場します。
この辺は無知なので何も知りませんでしたがこの人物がまたすごい笑
彼は結局医師免許もないいわゆる「もぐり」の医者であることが判明するのですが、そんなことお構い無しに堂々と治療を続けます。
しかもその治療法はぱっと見理にかなっているように見える。現在でいうところの認知療法に通じるところがあるのではないかなあと、見ていて漠然と思いました。

このライオネルですが声がいい上に演説が上手い。
(どこかで見たことあるなと思って後で調べてみたらパイレーツオブカリビアンのバルボッサだったんですね。)
「ウィンストンチャーチル」と言い「奇蹟が愛した数式」と言い英国人はうピーチ・演説を重んじるのかなあと感じました。
ノンフィクションの映画とはいえ必ずクライマックスに演説がある、むしろ演説をもとに映画を作ったという意図すら見て取れます。

チャーチルといえば、この映画にも出てきますね。
僕は映画「ウィンストンチャーチル」を見て以来すっかり彼のファンなので、出てきたときは少し興奮しました。
「ウィンストンチャーチル」では悩むチャーチルを勇気付ける存在として描かれていたように記憶していますが、彼自身にもこのような深いエピソードがあったとは、、もう一度見たくなりましたね。

この映画のクライマックス、タイトルにもなったジョージ6世による「英国王のスピーチ」、"We shall ...... prevail"からかの有名なチャーチルの演説、 "We shall never surrender"に続いていくと思うと燃えますね。

戦争の是非は私の手に余るテーマなのでさておくとしても、戦争中という極限状態だからこそ人間の持つ気概のようなものを強く感じることができる気がします。故にこの時期を舞台にした映画は僕はすごく好きです。
(さらにここから「エニグマ」での、Uボートの暗号を見破る天才、アランチューリング繋がると思うとなお興味が尽きません。)

最近は歴史上の偉人を主人公に据えた映画をよく見ている気がしますが、普遍的に思うのは彼らも人間であり悩みを抱えていたこと、さらにその悩みは一人ではなく誰かとともにでこそ解決できること、です。

陳腐で使い古された表現かもしれませんが、一人では乗り越えられないことも誰かとともになら乗り越えられる。彼らの話はそういった大事なことを教えてくれる気がします。
Taizo

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