Uえい

数に溺れてのUえいのレビュー・感想・評価

数に溺れて(1988年製作の映画)
3.0
映画の中で次々に数字が現れ100を数えたところで終わるというギミックがユニークで面白い。見逃してしまった数字も多かったので探すためにまた見たくなる。

話自体はシンプルで、三人の同名の女性シシーがそれぞれの夫を溺死させていく。まずは初老のシシーから。リンゴ農家の夫の浮気現場に鉢合わせてしまい、思わずお風呂に頭をつけて溺死させてしまう。そして、娘と姪のシシーに相談し、検死官の友人マジェットに事故死ということにしてもらう。マジェットはその見返りにシシー達からの愛を要求するが、叶うことはなかった。最後、ボートの上で100カウントを迎えるがこれが凄く良かった。岸では花火が上がり、なんだか「フェリーニのアマルコルド」を思い出した。

また、マジェットには息子がいて、木の葉っぱの数など数を数えるのが大好きな少年だった。羊を使ったゲームを始めたりといろんなゲームのルール説明が入り、頭が追いつかなかった。そして彼が恋する少女も印象的。家の前で縄跳びをしながら星を数えている。この二人の顛末も悲しいものだった。

なんだかわちゃわちゃしていて楽しい雰囲気なのに深い動機無く人が死んでいくギャップが印象的だった。ニシンが大量に打ち上げられて死んでいるシーンがあったが、登場人物達は逆に水に飲み込まれていくのは何でだろう。単純にビジュアルを楽しむのがオススメかもしれない。
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