【ハードボイルド的】
1930年代は、世界が第二次世界大戦に向かう不穏な時代だ。
だが、忘れてならないのは、その大きな要因になったのが、1929年に起きた世界恐慌だと思う。
マルセイユは、フランス第二の都市にして最大の港町だが、前にバックパッカーをしていた時に、このマルセイユで安宿を探しをした時に結構怖い街だなと思った記憶が甦った。
もともとフランスの植民地だったアルジェリアなどアフリカからの移民も多い街で、港町は、もともと人種の坩堝になりやすく、さらに不穏な時代にあっては、特に反社会的組織も拠点を作りやすかったのだとも思う。
フランスだと、背景に反社会的なものが描かれるとノワール作品ということになりがちだが、この作品は、ジャン=ポール・ベルモンドの存在が軽めのカッコよさとなっていて、過度に重たい作品になっていないところも良い。
「片腕でよく戦った」
古臭い男の友情と。ハードボイルドっぽいセリフ、裏社会で育ったからには表社会で生きるのは難しいみたいな構成も、古き良き映画の良さを伝えている気がする。
これらが、この作品の人気の要因だ。