しお

17歳のカルテのしおのレビュー・感想・評価

17歳のカルテ(1999年製作の映画)
4.4
“私は自由だ 息ができる だけどあんたは平凡な人生に窒息する”

世の中の全てが“stupid”でも閉鎖病棟で生きるよりはマシ…なのは世界に出なければ正気の知力を知覚できないから 



精神病と言われる人たちは弱点が多いだけで「人」の原型はある 友人になれても”壊れてしまっている”かもしれないし化物のような隣人かもしれない その“ボーダー”でこそ個性で、それは忘れたくないなあ…
ADHDを個性と呼ぶ人は嫌い論。笑

どうしても私は感性の強い人(理性の弱い人)に情が心が寄ってしまう節があるからリサのような人間を間違ってると言い切ることはできないけど…他人に危害を加えて自分の均衡を保とうとする狡猾さはあまり誉められないよねと。(ありきたりな倫理すぎ)

アンバランスな人間は死の臭いが近くてうつくしいのよね でもそれじゃこの世で生きていくためにはあまりにも生き難い
↑多分アンジーの美しさをキャラクターのままに享受することは加害に限りなく近い行為なんだろうな…と それこそデイジーとパパの関係値のように。
婦長さんも横暴なんだけど、あくまでも大人としての厳格なんですよ 「信じてください」


電気ショックの後遺症?でリサが呼び名を間違えてしまっているシーンは胸が痛かったなあ 
隙自語だけど過去合わない薬で抑うつ&離脱症状で自分が殺されていく感覚が凄く辛かったのを思い出した 普通のフラットさの反面空虚に呑まれる感じで…
リサはずっと的を得てるし、正直すぎるんだけど、無垢というにはあまりにも、独りで物事を余計に考える時間と知性が多過ぎたのだと
やさしいカリスマ性は孤独への道連れ
行き場を失わないための嘘は、意義への忠信(コントロール)であって自ら/他者への裏切りでは無いということを学習せねば、と思いました

音楽と救済の親和性

「何も感じたくない時 死は夢のように思える けれど本物を見ると 死の夢想は愚かに思える」
未熟ゆえに道を踏み外す同志たちに十字を切ることがせめてもの花向け
アウトプットは息吹の証


演出がやけに理性的なのが図らずもニヒルでまたよかったー



ネコちゃんかわいい!ネコちゃん持ち込める病院は最高すぎる!が結論です
名作だな、思春期じゃなくて諸々落ち着いている今見れてよかった!もし当時なら愚かにも反骨精神で御涙頂戴だと一蹴してしてそう(笑)
しお

しお