Jean

17歳のカルテのJeanのレビュー・感想・評価

17歳のカルテ(1999年製作の映画)
3.2
2017.01.26 字幕視聴

施設の中にいる人も外にいる人も
なんら変わりはないのに

社会の中にうまく溶け込めない不安感を
17歳のあの頃、心の不安定さとともに
誰もが持合わせていたんじゃないか?


そう思うことは多くの大人にとって
当たり前のことではないのかもしれない

みんな、みんな
忘れていってしまうし、気づいていても
私とは違うとみんな言うんだ


自分とは異なる存在、
自分が理解しきれない存在に対して
人はそれを不安に、また時には恐怖に思う

その不安定さを取り除くために、
あの人は境界性人格障害だから、
自閉症だからと境目引く

そうすることで
人は安心を手に入れようとするのだろう

スザンナの父と母がスザンナを施設に
入れたことも同様のこと

スザンナがリサと初めて対面した時、
スザンナが彼女を
訳わからない!
怖い!
と思ったのも同じ

みんな、他人に対して恐怖がある
考えていることがわからないってのは、
恐怖そのものなのかもしれない

それをいかに受け止めていくか
そこで人間は変わってくるのかもしれない

スザンナはリサに魅了される
自分にはない大胆さと強さを持っているから

彼女を受け入れることで
スザンナの心は少しずつ変わっていく

自分の進むべき方向は
どこなのか見えてきたんだと思う

交わることがないと思っていた人たちと
触れ合うことはみんなが思う以上に
大きな凄まじい影響がある

良くも悪くも

スザンナは自分を保って、
リサと向き合ったから
彼女はリサをも変えてあげられたんだと思う

心に響く言葉を言ってあげられたんだと思う

誰かに何かを響かせるためには
時に相手を傷つけ、自分をも傷つけることがある

傷つき、傷つけられることで成長できる
そんなことを思い出した

自分の辛かった頃を見ているようで、
時々涙が出た

傷つけられることを恐れずに生きていこう
そう思う映画

必ず、
乗り越えた分だけ成長できると信じて
Jean

Jean