冬眠

17歳のカルテの冬眠のネタバレレビュー・内容・結末

17歳のカルテ(1999年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

配信サービスなんてない頃、どうしても観たくてDVDを買って観た。
後にも先にも映画通でもない私が買ってまで観た映画はこれしかない。

ボーダーやその他のパーソナリティ障害を持つ人たちを忠実に描けているかといえば少し疑問が残るが、アンジェリーナジョリーの演技には圧倒されてしまった。
スザンナの回復ぶりには観ている方も励まされたし、それに反して退行していくようなリサの様子にはリアルな痛々しさを感じる。

スザンナの意識改革のキッカケとなったのがデイジーの自殺だったのは悲劇。
リサとの逃避行が無ければデイジーは死ななかったかも、そしてスザンナの回復もなかったかも…。

スザンナがその時の心情を吐露するときのセリフは覚えてしまったくらい心に残っている。
I know what it's like to want to die.
How it hurts to smile,
how you try to fit in but you can't.
How you hurt yourself on the outside to try to kill the thing on the inside.
ウィノナライダーはスザンナ役を熱望し制作の総指揮もとった。
ウィノナ自身もボーダーだったのではとの憶測もある。奇行もあったり。
ウィノナがスザンナのどんなところに惹かれたかは分からないけど、ウィノナにとってもこの台詞に共感した部分は大きいのででは無いかと勝手に思っている。
結果アンジェリーナジョリーの怪演が見事でこれが彼女の出世作になってしまうことは予想できなかったんだろうな……。
ストレンジャーシングスでは時を経てもタバコをぷかぷか吸うウィノナが見られて少しうれしくなる。

この映画は私の中で特別な一本。
精神状態によっては観られない時もあるけど、どんな自分でも大丈夫、きっと生きていけると勇気をくれる作品。
冬眠

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