メル

拾った女のメルのレビュー・感想・評価

拾った女(1953年製作の映画)
3.8
スリの常習犯が女のバッグから抜き取った財布には国家機密が入っていたという話。

当時のN.Y.ではスリは4回目の逮捕で終身刑だったらしいが、警察には屈したくないし、かと言って共産国と敵対している母国アメリカへの愛もあるし…という所でスリの男も意地を見せます。

事情を知らずに運び屋をしていた女とのロマンスもありますが、気絶するほど殴られた男に恋をする女なんて先ず居ない。そんな都合の良い女は男性の妄想の中だけかも。笑

抜群の見どころを作っていたのは情報屋のセルマ・リッター。
「裏窓」で人生の蘊蓄を語りながらマッサージしていたあのおばさんが今回も良い!
楽な暮らしはしていないが権力には屈しない。そうゆう点ではスリの男とはお互い認め合っているのだ。

運び屋の女がお風呂上がりに恋人と争って凄い勢いで倒れるシーンもあったけど、その辺も含めてサミュエル・フラー監督の「映画はエモーション!」という事か。
それにしても登場人物ほぼほぼワル。
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