プリズン(精神病院)から脱走した2人が、オンボロな車1つで九州を南に南に突き進むさまがとてもいい。
目の下にクマを、スッピンに真っ赤な口紅を。敵キャラ不在の逃亡劇。二人はただ、逃げて、逃げて、逃げまくる。
「宇宙に逃げようとしてから、ぴょーんち飛び跳ねても、重力で戻ってくるやろ、でもそんなことする奴はキチガイやろ。でもあたしはそのキチガイで、なごやんも同類よ」
漠然としてるのだけど、文句のつけようのない正しさみたいな社会の空気にイライラしてしまうそんな時。社会に毒づくよりも窓全開で叫ぶのはどうだろうか。たわけ〜!!と。
ぼんやりベッドで横になり、ずっと二人の旅路を見続けたくなる。そんな映画だった。