ぺっこり180度

グラン・トリノのぺっこり180度のレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.2
観てすぐには、
自分の感覚がよくわからず困った。

全然すっきりはしない。
悔しさと悲しさが残り。

一晩考えた。

どんな道筋で考えても
クリント・イーストウッド氏演じるウォルトが
あの幕引きがベストだと決断したのに納得が行った。

ハッピーエンドではないが
最善の道が描かれた作品。

この映画をとても好きだというには抵抗がある。寂しくて。
なのにこれが「最善」なのはわかる。なんだこれは。

隣家との時間をかけた交流も
懺悔後の神父と主人公のやりとりも
主人公の家族との関係も、
そこそこ理想的ではないところが現実的で厚みがある。
その分主人公の決断の重さが迫ってくる。
なんなんだこれは。

特に安易なヒロイズムを否定している感じにぐっとくる。

これから、きっと折に触れ観たくなる作品。