MIDNIGHT

グラン・トリノのMIDNIGHTのネタバレレビュー・内容・結末

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

視聴2回目。間違いなくイーストウッド監督最高傑作。ぼろぼろ泣いた。

…主人公コワルスキーは昔ながらの価値観を引きずる堅物老人。彼が愛する72年式グラン・トリノはもはや骨董品、まるで彼そのもの。近所に越してきたアジア系移民を疎ましく思うのだが………

まさしく彼のキャリアの集大成であり、その終着点でもあるような映画。これ以降も良作はたくさんあるが、これが余りにも良すぎた。

言葉の節々に「イーストウッド味」を感じる…。
彼は昔から「古きアメリカ人」を演じ続けてきた。スクリーンで観る分には良いけど、近くに居たらちょっと疎ましい感じ。
そのキャラクターを凝縮して生まれたのが"コワルスキー"。ただ、今までと違うのは彼が改心する点。新たな価値観を受け入れ、引き継いで行く。彼の誇りであり矜持であった「グラン・トリノ」が引き継がれたように…

この映画をイーストウッド作品の中でも特異なものにしているのは"最強無敵じいちゃん"である彼が死ぬという事だろう。
西部劇で根付いたイーストウッド最強伝説はずるずる引きずられ、結局彼は死ねないキャラクターになってしまった。というより、観客もそれを求めてた。僕もその一人。そんな彼が死ぬ、という所にも、本作の終着点としての意義を感じた。

余談だが、メインテーマの曲を歌ってるのはイーストウッド本人。「ローハイド」時代らへんに曲もリリースしているが、結構売れたという………。
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